海外旅行で気を付けるべきは飛行機事故より路上交通事故

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今月中旬からカンボジアに出かけることになっています。

そんな中、日本航空の飛行機の羽田空港滑走路での海上保安庁機との衝突事故を見て、飛行機に乗るのが少し怖くなり、リスクコントロールをあれこれ調べたりしました。

航空機事故はニュースの映像などで、激しい事故の様子が映されるので、過剰な恐怖心をあおられます。

しかし、米国家運輸安全委員会(NTSB)の調査によれば、航空機事故で死亡する確率は0.0009%に過ぎないそうです。アメリカで自動車に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.03%なので、33倍危険だと言うことができます。

冷静に数字で見ると、飛行機事故よりも自動車などによる交通事故の確率の方が圧倒的に高いのです。

しかも、これはアメリカでのデータです。カンボジアの路上事故のリスクは、これよりもかなり高いと言えます。

というのも、プノンペンでは未だに飲酒運転が当然のように行われており、運転マナーもあまり良いとは言えず、自動車の信号無視も珍しくないからです。路上で事故が起こっている場面に遭遇することは珍しくありません。

また、万が一、カンボジアのような新興国で交通事故に巻き込まれた場合、医療設備が日本より整っておらず、言葉の問題で正しい治療が迅速に受けられない可能性もあります。

そう考えると、何より旅行先の現地での路上で事故に巻き込まれないようにする方法を考える方が合理的です。

移動中のバスでの事故などは自分では防ぎようがありません。バスを降りて路上を歩いているときに車やバイクにぶつからないように気を付ける。トゥクトゥクのような危険な乗り物にはなるべく乗らないようにする。そんな当たり前のリスク管理が大切です。

学生時代のバックパッカー旅行の時は、スリルを求めて敢えて危険なことにチャレンジしたりしていました。

これからはあまり無茶をしないで、安全第一で行動しようと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年1月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。