豊かになる投資家、貧しくなるビジネスパーソン

最近、景気が良くなっていることを実感する出来事が増えています。

年末にお節を取りにいった大門の和食店「くろ木」では、お店の前がベントレーやハマーのような高級車で溢れ、お節を受け取っている人たちで大混雑でした。

このような高級店は、最近更に予約が取りにくくなり、お店側も強気になって値上げするところが増えています。

その理由の1つは資産価格の上昇です。日本株の上昇が話題になっていますが、それだけではなく不動産も暗号資産もほぼすべての資産が値上がりしています。

何だか、1980年代後半の昭和バブルがフラッシュバックするような情景になってきました。

その一方で、組織で仕事をしているビジネスパーソンの経済環境は悪化しています。

厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査(2023年11月)によると、実質賃金で前年同月比で3.0%も減っています。マイナスは何と20カ月連続です。名目賃金が上昇しても、物価も3%台の上昇が続いており、実質的に賃金が目減りしている状態です。

同じ日本国内でも対照的な状態と言えます。

では、どうしたら良いのか?答えは明確です。

ビジネスパーソンは自分で仕事で稼ぐだけではなく、投資家にもなれば良いのです。

仕事が忙しくても、NISA口座を開設してネット証券の投資信託の積立機能を使えば、毎日株価や為替レートをチェックする必要はありません。

あるいは、「お金を借りる力」を使って都心の中古ワンルームマンションを購入すれば、メンテナンスは管理会社に任せることができ、手間はかかりません。

投資とは「お金に稼いでもらうこと」です。自分の稼ぎが目減りするのであれば、お金にも稼いでもらい1馬力ではなく2馬力で資産を増やすことです。

投資の話を聞くと「そんなうまい話があるはずない」「リスクがある」「今更もう遅い」「株も不動産も割高」などと語る「頭の良い」人たちがいます。

しかし「やらない理由」をあれこれ考えているうちに、マーケットどんどん変動していきます。

投資をするのには、もちろんリスクが付きものです。ただ、投資を敬遠することで「リスクを取らないリスク」に気が付かないうちに陥っていることを忘れてはいけません。

Dean Mitchell/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年1月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。