Threadsによく出てくるトンデモな人たち
ThreadsはもともとInstagramから派生したので女性が多いのですが、そのせいかトンデモの方達がとても多い印象です。おそらく子どもの時から算数や理科が苦手で、それをそのままにして大きくなってしまったものと思います。前回はこういうのを書きました。
前回書かなかったのですが、最初に結論で言うとこうしたデマの大元はカネのためにやっております。カネのためにデマを撒いて脳が不自由な人たちを釣ってお金にします。ネトウヨのインフルエンサーと同じく商売になるからやっているわけです。よく出てくるこの類いのものとしては
水素水
生きてる酵素
寄生虫以外のイベルメクチン
デトックス
メタトロン
シェディング
ビタミンC注射
EM菌
クエン酸
血液クレンジング
発酵食品で何でも治る
がんワクチン
免疫細胞療法
全身温熱
経皮毒
マコモ風呂
酵素風呂
など、書く気になればこの100倍は書けますがだんだんウンザリしてきました。w
で、こうしたトンデモ商売には必ずトンデモデータというのがありまして、算数が分からない人たちは一瞬でこれに捕らわれます。
日本の添加物は異様に多い?
例えばこれ
この表がトンデモ界隈に回っていまして、同様に「日本ってこんなに添加物が認可されてるんだ、怖い」と叫んでいらっしゃる方達が多いわけです。ちょい待って。だったら
なんで日本だけ他の国より寿命が飛び抜けて長いの??
イギリスは添加物は21種類だけど平均寿命なんて男性は80歳にも満たないんだぜということを不思議に思わないのかなということです。
で、このからくりは実は簡単でして農林水産省に誰でも分かる説明があります。
まず一番大事なのはココ
各国の食品添加物の基準は・・・・
・規制対象:食品添加物の定義、範囲が国ごとに異なる。
・物質:認可されている物質/グループ分けが国ごとに異なる。
・用途/機能分類:用途/機能分類そのものが国ごとに異なる。
・使用基準:使用可能な食品分類、使用量(最大基準値)が異なる。
・規格:成分規格(定義/製法/基原生物)が異なる。
つまり、
国ごとの基準が全く異なる
わけですね。基準が異なるものを一緒くたにして比較してもしゃーない。
日本では食品添加物の定義は
食品衛生法 第4条
2 食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいう。
3 天然香料とは、動植物から得られた物又はその混合物で、食品の着香の目的で使用される添加物をいう。
で、加工や保存の目的で食品に使用されるものとされています。
が
・・・・EUでは食品添加物の定義は
食品として消費せず、栄養価もなく,食品の製造・加工,保存等の技術目的で意図的に使用する物質
とされているので、栄養価があるとそれは食品となってしまい、添加物ではなくなるわけですよ。栄養価がないものだけが食品添加物なら、砂糖も塩も添加物ではなくなるのでそりゃ数が恐ろしく少なくなりますな。味の素のようなアミノ酸を追加しても日本は食品添加物ですが、EUだと食品の一部になって添加物にならないわけですよ。
あれ?添加物に厳しいのは日本なのでは?
ということになります。1500もの物質がチェックされて人体の影響を考えて認可されているわけですから。他国は添加しても添加物じゃないので当然ながら認可が要らないんですよ。
この資料では最後に「輸出先国の法規制に適合した商品の開発は難しくない」と結んでおり、本当に日本の食品が海外で認められない添加物だらけならそんなことは無理ですよね。
商売にしている人には釣られない
冒頭に書いたように、こうしたトンデモやデータの切り取りや誤認してのアピールは、2種類の原因が考えられます。ひとつは意図的に客を欺そうとするもの。もうひとつは本当に頭が悪くて理解できていない場合です。
山崎パンはなぜカビないかという駄本が馬鹿の心を掴み、ベストセラーになったわけですが、
この論争では普通の頭では美味しく焼くためにくわえて焼かれることによって消失する臭素酸カリウムに防かびの効果などない事が理解できるのだが、馬鹿はそう思わない。山崎パンがカビるのは完全な衛生管理の無菌状態で焼かれるためで、そのへんの自然素材の街のパン屋のパンがすぐカビるのは単に不衛生だからに過ぎない。
山崎パンが凄いのはデマに屈しないことです。
「ヤマザキ」が“発がん物質”臭素酸カリウムの使用をわざわざ再開する理由
殆どの人たちはこうしたデマは信じないので
という結果になります。まあ、巷で言う自然食品の大半はこんなもんです。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2024年1月24日の記事より転載させていただきました。