「ソフト老害」は40代から始まる

黒坂岳央です。

「老害」というと60代、70代の感情を爆発させ話を聞けない老人を連想する人も多いだろう。しかし、実はマイルドな老害は40代と早い段階から始まるという。こちらの記事で「全体を考えてよかれと思ってやっている仕事がソフト老害だ」という鋭い指摘をしている。「自分は老害の被害者」と考える中堅こそ、実は老害の加害者ということもあり得る。

老害を端的にいえば「権力の力で若者の可能性を潰す」ということだ。自分自身、40代で会社経営者で若者が働く組織をリードしている立場なので考えさせられた。

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「任せて見守る」の難しさ

上司や社長の立場になると痛感することがある。それは「若手に仕事を任せ、黙って見守る」ということの難しさだ。

後ろから新人の仕事を見ていて「ああ、それはやる必要ないのにな」とか「これなら自分がやったほうが遥かに早いのに」と感じてしまうことは多い。だがぐっと堪えて、失敗やムダを経験させながら本人の成長を見守る。これには強い胆力が求められる。これは親の育児も同じだ。「ああ、もうそうじゃないよ」と操縦桿を奪い取りたくなる気持ちをぐっと堪えることはなかなか難しい。

組織は結果が全て、粗利が全てである。故に非合理性を排除し、リスク要素ボラティリティを緩やかなゆらぎにハンドリングする力こそが経営者に求められる。老獪に賢い立ち回りは正義であり、異見を許さない力がある。だが、ここにソフト老害の芽がある。行き過ぎると若者の新しい意見、斬新なアイデアが日の目を見ることがなくなるためだ。彼ら自身、それが続けばいつしか上の決断に身を委ねることが最も効率的な生存戦略になってしまう。優秀な人材なら会社では最低限の仕事をして、傍らで起業して出ていってしまうだろう。

これは記事で触れられていたが、嫌われないようにと変にバランスを取ろうとするから老害化する。だから正面からしっかり嫌われたほうが良いのだ。そして大きな力には大きな責任が伴う。強い立場を得た人は知らず知らずの内に若手の可能性を潰してしまわないよう、自分が持っている力と責任の強さを忘れてはならないだろう。

 

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