BRTが握る晴海フラッグの将来価値

2月1日から晴海フラッグと新橋駅を結ぶ待望のBRT(bus rapid transit )が運行開始します(プレスリリースはこちらから)。

晴海フラッグの敷地内には

HARUMI FLAG(晴海5丁目ターミナル)
晴海ふ頭公園
はるみらい

の3つの停留所が設けられ、新橋駅とつなぎます。この通称「選手村ルート」は勝どきBRTを通過するようですから、晴海フラッグから新橋までノンストップで走ることになります。

BRTという名称ながら、走行するのは専用道路ではなく一般道。果たして本当に「Rapid」なのかどうかまだ未知数ですが、環2と呼ばれる道路を使うので、新橋までわずか6分で到着するスケジュールになっています。

期待が高まるBRTですが、問題は運行頻度です。

当初のスタート時は、平日のラッシュ時の8時台でも1時間にわずか6本。日中や休日は1時間に3本のみです。22時には運行は終了してしまい、深夜には使えません。

今後運行本数は増えると思いますが、住人の数が増えていけば急速に利用者が増えて混雑に対する不満が高まりそうです。

また、現時点では乗り場には屋根もなく雨の日や真夏の暑い日には待つのが大変そうです。

そして選手村ルートだけ終点が新橋になっていて虎ノ門ヒルズにはつながっていません。これも一部の人たちには不評だと思います。

これらの改善が必要な点は、住人が増えて要望が強く出されれば、順次対応してもらえるのではないかと期待しています。

メトロの駅へのアクセスが悪い晴海フラッグにとって、このBRTの使い勝手がどの程度良いものになるかどうかが、街の価値を決めると言っても過言ではありません。

運営しているのが京成バスというのが若干不安ですが、時刻表を気にしないでメトロのようにBRTが利用できるようになれば、晴海フラッグの資産価値はさらに高まると予想します。

それにしても停留所の名称が「HARUMI」「晴海」「はるみ」とバラバラになっているのはどうしてなのでしょうか?これも利用者を混乱させるので「晴海フラッグA B C」というようにわかりやすく統一した方が良いと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年1月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。