日本全体の人口減少と、東京への人口集中によって、多くの地方では、人口が減少し、街が衰退していく現実があります。
しかし、そのような大きな流れの真逆を行く地方都市も存在するのです。
例えば、北海道のニセコです。以前から雪質の良いスキーリゾートとして外国人に大人気でしたが、ここに来て高級ホテルが次々と開業し、日本人富裕層の人気も高まってきています。
札幌よりも物価が高く、パークハイアット(写真)のような高級外資系ホテルは一泊10万円を軽く超えるような信じられない宿泊料。にも関わらず冬場は満室です。
あるいは、香川県の三豊という街には、都市部からたくさんの人が移住してきて、地元の観光資源を活用した地域活性化が行われています。
この街おこしには、丸の内朝大学のプロデュースを行っていた古田秘馬さんも関わっています。
ニセコや三豊に共通するのは、他にはないコンテンツです。
ニセコにはパウダースノーという強力な自然の魅力があります。
三豊には香川県ならではの、うどんを使ったエクスペリエンスや、インスタ映えする日本なのにウユニ塩湖のような父母ヶ浜といった他にはないコンテンツが存在します。
多くの地方自治体が街おこしで、ゆるキャラを作ったり、東京の二番煎じをやっているのとは対照的です。
そこに行かなければ得られない唯一無二の体験を提供できるという強みが、人を惹きつける原動力になっているのです。
日本の地方には素晴らしいコンテンツがまだまだたくさん眠っています。美しい自然の風景や、それぞれの地域に根ざした食文化。同じ日本とは思えないバラエティー豊かな世界が存在するのです。
凡庸な企画で、せっかくの魅力的なコンテンツを無駄にするのではなく、魅力を最大限にアピールできるプロデューサーと力を合わせることで、街を生まれ変わらせることができる。
せっかくのコンテンツを活かせる街と活かせない街。これから発展する地方と衰退する地方の2極化がさらに進んでいきそうです。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年2月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。