浪費のロレックス、投資のロレックス

インナーサークル資産設計実践会メンバーと東京都港区にあるワインバーに集まって、アンティークロレックスとワインの会を開催しました。アンティークロレックス(写真)を眺めながら美味しいワインを楽しむ優雅な時間です。

ロレックスは誰でも知っている人気の腕時計ブランドですが、大きく現行モデルとアンティークモデルの2つに分類できます。

現行モデルとは、現在も生産・販売されていて店頭で購入することが可能なもの。アンティークモデルとは、過去に生産されて今はモデルチェンジしてしまった時計です。

最近は、現行モデルが品薄になり、人気のモデルはリサイクルショップでプレミアムが付いて販売されるような状態になっています。

しかし、この現行モデルは生産が続けられている限り、供給はこれからも増えていきます。

一方のアンティークモデルは、生産終了していますから数が増える事はありません。

そして、2つの決定的な違いは、アンティークモデルは時間とともに個体差が広がっていくことです。

時計の製造技術がまだ未熟だったことで、時間とともに、文字盤の色が変色したり、ひび割れたりと同じモデルでも異なる味わいに変化していきます。

文字盤が劣化すれば、価値が下がると通常は考えますが、アンティークウォッチマニアの考え方は違うようです。

例えば、ひび割れのように変化した文字盤は、蜘蛛の巣のようなデザインに変化することからスパイダーと呼ばれ、むしろ価値が上昇したりするのです。また、スターダストと呼ばれる文字盤に小さな突起が出て、星のように見えるモデルも人気です。

色合いも黒い文字盤が茶色く変色したり、様々な表情を見せてくれるのです。

実物資産の価値を決める要素の1つは「希少性」です。供給数が増えることなく、経年変化によってむしろ個別性が強まっていくアンティークロレックスは、現行モデルとは別物と考えた方が良いでしょう。

同じロレックスでも、浪費のロレックスと投資のロレックスがある。どちらを買うべきかは明らかです。

そして、アンティークロレックスの最大のメリットは、自分で日常使用できることです。使用しながら価値の上昇を待つことができるのです。

現行モデルは未使用でないと価値が落ちてしまいます。せっかく購入しても、箱に入れたまま使わないでしまっておくしかないのです。

この日は16本のアンティークロレックスが紹介され、最高価格は3500万円でした。果たして、このモデルは5年後いくらになっているのでしょうか?


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年2月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。