リモートワークでもファッションは大切!プロの着替えスイッチ術

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ファッションで自分を上手に演出できれば、仕事も、お金も、人間関係もうまくいく?そう頭ではわかっていても、重い、かゆい、痛い、苦しい、そんな体への負担がどうにもがまんできない。服を買いにいくのも、店員さんと話すのも苦痛……

繊細ゆえ、「ファッション弱者」を自認していた妻母社長・アズ直子が、スタイリスト・長友妙子の的確なアドバイス・問答を通して「ラクで美しくいられる」「だいじな仕事に集中できる」ファッションに開眼します。ありそうでなかったファッション解決ブックを紹介します。

繊細な人の仕事がうまくいくファッションのルール」(アズ直子 著、長友妙子 著)光文社

ファッションは気持ちの切り替えに役立つ

リモートワークの普及により人と直接会う機会が減り、ルームウェアでお仕事をする方も増えてきました。かくなる筆者も執筆活動の時はTシャツ、短パンが基本です。

「でも仕事スイッチが入りにくい在宅仕事のときこそ、着替えることでモチベーションがかなり上がるので、それを知っている方はテレワークになってからのほうが、ファッションに熱心になっています。 役者さんが衣裳をつけた瞬間に別人格になるように、ファッションは本当に『スイッチ』になるのです」(長友さん)

「たとえば、Tシャツなどカジュアルな服を着ていても、ジャケットをはおれば1秒できちんとして見え、自分自身の心にも仕事のスイッチを入れることができます。 反対にオフに気持ちを切り替えることもでき、ジャケットを脱げばリラックスしていいと決めてもよいでしょう」(同)

長友さんは、ジャケットを羽織る所作を「ルーティンにしてもいい」と言います。どのようなことでしょうか。

「ジャケットをはおるという動作をお仕事前の『ルーティン』にしてもよいのかもしれません。 ただはおるだけでスイッチのオンオフが自由自在です。繊細さんたちはあらゆる方面に気を遣い、失敗がないように緊張されています。 こうした過剰な緊張が体調不良、ひいては仕事に影響することも心配です」(長友さん)

「ぜひファッションを、便利なオンオフの切り替えスイッチにしてください。ファッションは社会参加のために必要なコードファッションに興味を持てたら、ぜひやってみて欲しいのが、『外出先で人のファッションを観察してみる』ことです。服装をよく見ると大体何をしている人なのかが想像できるはずです」(同)

好みを変えるのは難しいと思うが

歳を重ねると自分のスタイルが簡単には変えられない。私のワードロープは圧倒的に黒が多い。グレー、紺色もあるが、ほぼダーク系で占められている。また、スーツや冠婚葬祭用の白シャツを除けば、シャツもほぼダーク系である。パンツもブーツカットが基本だ。ストールも多い。

私は、身長184cmの長身である。だいぶメタボってはきたものの、見た目にはスマートだと言われる。髪の毛も細くはなったもののフサフサしている。

30代の頃だろうか、ある百貨店での出来事になる。

私「これ、私みたいな中年でも大丈夫かね?少々若づくりかなー」
販「大丈夫ですよー。どんな服にも合わせやすい色ですし」

まず、「私みたいな中年」。これは自らを謙遜しているのであって、本気で言ってるわけではない。

「大丈夫ですよー」というコメントは、私が中年であることを認めた発言でもある。

このまま店をあとにして、次のお店はいったらすごかった。ちなみに、大手ブランドである。

私「Lはないですか?身長が184cmあるのでLが欲しいのですが……」
販「いまあるのは、MとSです。インポートですから日本サイズより大きめです」
私「着てみましたが、Mだと袖が短い気がします」
販「せっかくなので、Sにも袖を通してください。おっ、タイトでお似合いですね」
私「かなりキツイのですが(苦笑)」
販「スペンサーっぽくてお似合いです!お客様でしたら、SでもMでもLでもお似合いです」
私「・・・」

このようなことが多々あり、外での買い物は定員とのやり取りが面倒だと思うようになっていた。ちょっとした不快なことから足が遠のいてしまったのである。

お客様は「お似合いな一着が欲しい」と考えている。どうでもいい1点を勧めたり、いい加減な対応は好ましくない。

さて、長友さんにコーディネートしてもらったらファッションセンスはアップするのだろうか。気になるところではある。

本書を読むことでファッションセンスがアップするかも知れない?

尾藤 克之(コラムニスト、著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

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