日本より「世界の80億人」を相手にした方が良い

東京赤坂にある照寿司東京さんに出かけてきました。世界で最も有名な寿司職人渡邉貴義さん(写真)が親方のお店です。

本店は北九州の戸畑にありますが、毎月3日間だけ東京のお店に来てお寿司を握ってくれます。

久しぶりにお邪魔しましたが、前回よりも更に進化を遂げていて度肝を抜かれました。

店内には大音量でヒップホップがかかりクラブのような雰囲気です。

渡邉さんは日本刀のような大きな包丁を握り、カウンターの客の前でパフォーマンスを繰り返し、その合間にお寿司を握ります。お寿司のクオリティも最高の食材を使って、極めてハイレベル。構成も良く考えられており、途中には尾崎牛のお料理もあって、お腹も心も一杯になります。

約半分のお客さんは外国人でしたが、英語と日本語がミックスされた高いコミュニケーション能力で、国籍に関係なく来店者の心をグッと掴んでいくスキルはさすがです。

もはや、日本人が想像する伝統的なお寿司屋さんのイメージを完全に超越しています。

この日の隣の席はイタリアからの3人家族。その隣はインドからのカップルでした。観光で日本に来ているのだと思いますが、彼らにとって東京での強烈な思い出となって記憶に残ることでしょう。

私は照寿司さんのようなグローバルコンテンツで勝負するお店も好きですが、一方で頑固に江戸前のお寿司を提供してくれるようなお店も好きです。

ただ、もし自分が食べるのではなく寿司職人だったら、どちらを目指すのか?これは明らかに前者です。

人口が減って貧しくなっていく日本人を相手にするより、80億人のグローバルマーケットを相手にした方が、圧倒的な可能性があるからです。

照寿司赤坂のお寿司は、おまかせで1人5万円でドリンク別です。多くの日本人にとっては高すぎと思うかもしれませんが、ドル換算すれば300ドルほど。しかもチップも必要ありません。外国人からしたらむしろ破格です。いずれ来店客のほとんどは外国人になってしまうのではないでしょうか?

赤坂のお店は会員制ですが、北九州にある本店は予約すれば誰でも行くことができます。

騙されたと思って一度出かけてみてください!きっと衝撃を受けると思います。私もまた近いうちにお邪魔する予定です。

3al2/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年2月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。