EC業界は、新規参入や異業種から参入が増え、既存の企業とのし烈な経営競争がすでに始まっています。
本書は、EC業界の現状と今後の展望について研究・解説した書籍です。近年急速に成長を遂げており、今後もその成長は続くことが予想されています。
「図解入門業界研究 最新 EC業界の動向とカラクリがよ~くわかる本」(鈴木絢市郎 著)秀和システム
ステマ規制と今後の方向性
2023年10月1日、 ステルスマーケティング、いわゆる「ステマ」が法律違反となりました。これにより、EC事業者は、インフルエンサーや商品ページのレビュー投稿など、商品の感想や体験を中心としたマーケティング活動は慎重に行う必要が出てきました。
「ステマ とは、宣伝と気づかれないように商品を宣伝し、商品に関するクチコミを発信する行為のことを指します。商品を購入するに当たって、宣伝よりレビューなどのクチコミを参考にすることは良くあることです。 これは、見栄えがよくメリットだけの一方通行の情報よりも、 実際のユーザーの感想の方が信憑性があるという心理的効果があるからです」(鈴木さん)
「ステマは、この心理効果を巧みに使った宣伝手法といえます。ステマという言葉が大きく認知されたきっかけは、2012年12月に発覚した『ペニーオークション詐欺事件』です。 この事件は、内部による吊り上げ入札により、落札できない仕組みのオークションを行い、一般の入札者から多額の手数料をだまし取った、というものでした」(同)
芸能人が、「落札できたこと」を装った投稿を行なっていた事が社会的に大きな問題となります。 関係した芸能人は、社会的な信頼を失うことになりました。
ステマが規制された理由
昨今、問題視されているのがamazonの商品レビューです。 企業が、芸能人やインフルエンサーに対価を支払って消費者に広告であると気づかれないように宣伝することを指します。
しかし、問題なのはライバル企業やライバル商品を悪意のある書き込みにより信頼を失墜させる行為でしょう。amazonは購入者でなくてもレビューを書き込むことができます。悪意をもったユーザーが匿名でマイナス評価を書き込むわけです。
私のケースでは、同じような誹謗中傷、マイナス評価を延々と書き込む人がいました。書籍を購入している人ならともかく、未購入の人にとやかく言われる筋合いはありません。
ところがamazonはレビューの削除要請をしても基本は無視します。以前、書籍のレビューと関係ない内容で粘着してきた人がいたので通報しました。すると、米国amazonのアドレスを教えられて、直接交渉するように促されたことがあります。
結果的に、本来、参考になるべきユーザーの感想が、歪んだ形で発信され、一般ユーザーにとって、どれが本当の感想なのか分からなくなる恐れがあります。正しい検討や購入ができなくなるリスクがありますので注意が必要です。
本書では、EC業界の歴史や現状、トレンドや課題、そして将来の見通しについて詳しく説明しています。EC業界に関心のある方や、運営したいと考えている方におすすめの一冊です。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
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