先ず、「政策」以前の問題として、今回の「政治とカネ」事件について、自民党国会議員として率直にお詫びせねばなりません。もちろん、私自身は、政治活動に係る全ての収支は報告・公開しております。
しかし、自分は潔白だと叫ぶだけでは済まされないほど事態は深刻です。政治への信頼回復、とりわけ自民党政治に対する国民の皆さまの不信感の払拭に全力を挙げねばなりません。
「政治資金規正法」を改正し、透明性を確保せよ!
緊急に改革すべきポイントは、以下の3つだと考えます。
第一に派閥によるパーティを禁止すると共に、収支報告に関し会計責任者と国会議員との間に原則として「連座制」を適用するよう政治資金規正法を改正すること、第二に不透明で恣意的な運用が常態化している政党の「政策活動費」を抜本的に見直すこと、第三に旧文通費の使途を透明化すること、などです。
現行の政治資金規正法では、議員側からの積極的な働きかけが認定できない限り処罰されるのは会計責任者のみということになってしまいますが、これを原則「連座制」にして、会計責任者による独断専行が立証されない限り議員も処罰の対象となるよう法改正するものです。
これにより、収支報告書不記載に対する抑止が高まると考えます。政治とカネをめぐっては、法律以前に、私自身も含め政治家が厳しく自らを律する姿勢が求められると考えます。
外交安全保障政策の推進を総理に迫る!
2/5予算委員会で質疑登壇(概要)
○長島:我が国の安全保障政策はようやく国際標準に達しつつある、そのことが、アメリカを始め、同盟国あるいは同志国の期待値を高める結果になっている、このように考えています。
ただし、残念ながら、停滞している分野もございます。大きく三つです。一つは、セキュリティークリアランス制度の導入。もう一点は、防衛装備品の海外移転をめぐる規制緩和。そしてさらには、三点目、能動的サイバー防御、アクティブサイバーディフェンスを実施するための法整備と体制の整備。中でもあとの二つは決定的に遅れています。
■ 次期戦闘機
○長島:次期戦闘機をアメリカでも自主開発でもない英国、イタリアと共同開発することを選択した。戦闘機を開発できるか否かはまさしく我が国の国益の根幹にかかわる問題です。製品はスケールメリットを念頭に置いて英伊両国は調達価格を低減するために完成品の輸出が必要だと考えている。完成品の第三国移転について、その必要性は。
○岸田総理:『国家安全保障戦略』で示した防衛装備移転の意義は、力による一方的な現状変更を許さないための重要な政策手段であること。その意義に照らして、完成品の第三国移転を含めて、国際共同開発、生産性向上に幅広く円滑に取り組むことが国益にかなうと考えております。
○長島:他方で、これは戦後初となる戦闘機の海外移転ということになりますから、国民の一部に懸念があることも事実です。特に我が国の平和安全国家の基本理念や戦後の歩みに反するのではないかという慎重論がある。「平和国家」としての基本理念との適合性についてご説明をいただきたい。
○岸田総理:我が国は、平和憲法の精神にのっとった専守防衛の方針の下、自衛隊発足以来七十年にわたり、戦闘機を運用してまいりました。戦闘機は侵略を阻止し、我が国を守る重要装備であると考えます。戦闘機が有する抑止力、これは新「移転三原則」に示された、地域における抑止力の向上に資するものだと考えます。移転にあたっては、個別の案件ごとに移転先を厳格に審査し、適正管理を確保する。平和国家としての基本理念に反するものではないと考えます。
■ サイバー攻撃
○長島:JAXAの高い技術力を狙って昨年からサイバー攻撃が行われ、ネットワーク機器の脆弱性が悪用され、内部情報の漏えいが確認された。さらに重要インフラである港湾や病院、さらには防衛省、外務省にもサイバー攻撃がなされたと報道されています。それぞれのサイバー攻撃に対する攻撃者の特定(アトリビューション)はできているんでしょうか。
○松村国家公安委員長:全てについて把握が出来ておりませんが、その調査をすすめておるところでございます。
○長島:アトリビューションについては、電気通信事業法の「通信の秘密を保障」の壁で阻まれ、発信元にアクセスすることは不正アクセス禁止法でできない。こういう現行法の壁がある、このように理解してよろしいですか。
○河野デジタル担当大臣:検閲を禁じ、通信の秘密を守るということは、憲法に規定されていることでございます。そういう中でいかにアクティブサイバーディフェンスを行っていくか、憲法上、あるいは法律上の問題をクリアしていかなければならない。
○長島:憲法21条に「通信の秘密」の保障が規定されているので、法制化はなかなか難しいとの指摘ですね。憲法21条2項では「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」と明記。憲法学界の通説では、検閲は絶対的禁止。しかし、通信の秘密は公共の福祉による必要最小限度の制約を受けるという解釈。政府解釈も同じですね。
○内閣法制局長官:公共の福祉の観点から、必要やむを得ない限度で一定の制約に服するべき場合があると考えている。
○岸田総理:サイバー能力の向上は、現在の安全保障環境を鑑みると急を要する。可能な限り早期に法案を示せるよう検討を加速していく。
○長島:一番の課題は憲法21条「通信の秘密」の保障と公共の福祉のバランスです。国の安全と重要インフラの防護というのは、最大の公共の福祉です。法制局長官答弁のように、通信の秘密は聖域ではありません。今国会でこれを乗り越える法案提出を行うことを強く求めて、質問を終わります。
編集部より:この記事は、衆議院議員の長島昭久氏(自由民主党、東京18区)のオフィシャルブログ 2024年3月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は衆議院議員 長島昭久 Official Blog『翔ぶが如く』をご覧ください。