元清和会会長の小泉元首相も政倫審に呼ぶべきだ

「自民裏金問題」で森喜朗元首相の参考人招致が不可欠なワケ、“天才的フィクサー”の光と影とは? 』という記事をDiamond Onlineに書いたので、その内容を少し突っ込んで書いておきたい。

「自民裏金問題」で森喜朗元首相の参考人招致が不可欠なワケ、“天才的フィクサー”の光と影とは?
田崎史郎氏といえば、ワイドショーの世界で「自民党べったり」といってよい立場を貫き通しているにもかかわらず、その憎めないキャラクターで干されない珍しい政治評論家だ。安倍晋三元首相らとすし店で会食したことで「スシロー」と揶揄(やゆ)されたりもするが、会食しながら本音を聞き出すのはヨーロッパでもありふれたことで、ばかげた批判...

国会での政倫審を聴いていて感じたのは、事務総長経験者に聞いても仕方ないので、森喜朗元首相、世耕前参議院幹事長、そして小泉純一郎元首相に聞くべきだということだ。

元清和会会長の小泉元首相 NHKより

この事件では、松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業相、高木毅前国対委員長といった清和会事務総長経験者が政倫審にも呼ばれたのが、そもそも事務総長の権限などない。そんな立派なポストだったらみんななりたがるがそんなことない。

それに、1日の衆院政治倫理審査会の質疑から、安倍元首相によるキックバック中止の指示が実行されなかったことについては、西村前経産相が事務総長を辞めて高木前国対委員長が就任するまでに開かれた最高幹部の会合で決まった方針に基づくものという構図が浮かび上がってきた。

塩谷氏は継続することは西村氏在任中に方向が決まったようなことをいっていたが、曖昧だ。これは、会議に出ていたという下村元文相や世耕氏の出席が必要だろう。とくに世耕氏は、すべてを知っている松本淳一郎元事務局長をスカウトしてきた本人であって、松本氏がなにか相談するとしたら世耕氏にするとみるのが普通だろうから、いちど、そのあたりも説明すべきだろう。

しかし、それより重要なのは、森・小泉の元首相だ。裏金システムはある時期の清話会会長の主導でつくられたのであろう。2006年に会長となった町村信孝元衆議院議長のあと、細田博之前衆議院議長と安倍晋三元首相が会長をつとめていたが、この三人はいずれも故人である。

そして、安倍元首相はこのような裏金システムを知ってただちに止めるように指示したともされているのだから、批判されるべき対象ではあるまい。

清和会の会長は、町村信孝氏の前は、森喜朗元首相と小泉純一郎元首相である。当然、この二人に話を聞くべきなのである。マスメディアはなぜ、清和会一強体制を築いた小泉元首相の責任を追及しないのか不思議だ。

森氏を政倫審に呼ぶなら、小泉氏も呼ぶべきだと思うがいかがだろうか。