確定申告の申告時期は分散して欲しい

確定申告の季節になりました。別件で麻布税務署に行く機会がありましたが、いつもは静かな署内が納税者で溢れて騒然としています。

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通常ならすぐに出来る証明書発行の手続きが、結局1時間以上もかかってしまいました。住所変更など別の理由もありましたが、やはり混雑しているのが時間がかかる原因です。

毎年2月から3月中旬にかけては、申告準備や手続きのため、税理士さんも大忙しです。それだけではなく、税務署内は確定申告の相談をする人で大混雑しており、職員の人たちも疲弊しているように見えます。

来週になると申告期限ギリギリになって更に混雑しそうです。

しかも今年は、政治家のパーティ券購入に伴う脱税疑惑に対する国民の怒りが鬱積しています。対応に時間がかかってストレスから税務署の職員に八つ当たりする納税者がいるのではないかと心配になってしまいます。

そもそも確定申告をこの時期だけに集中させない改良はできないものでしょうか?

1年間にやれば良いことを1ヶ月に集中させるから効率は下がり、人件費などのコストは上がります。集中する業務に忙殺されて、個人の新たな顧客を取らないという税理士も少なくありません。

例えば、申告のタイミングをマイナンバーの数字でグループ分けしていくつかの時期に分散させれば、ピークの山を低くすることができ、税務署も税理士も負担が軽減します。

副業を始めたりして、個人で確定申告をする人はこれから益々増えていくはずです。いずれ、業務が回らなくなる前に、マンパワーに頼ることなく実行できる仕組みを導入し、システムを抜本的に変える時期にきていると思います。

私は確定申告は税理士さんにお任せしていますが、必要な書類を集めたりするので今週はバタバタです。

この殺伐とした雰囲気の申告期限が、一刻でも早く過ぎて欲しいと毎年この時期になると祈るばかりです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。