アゴラ経済塾「小さな政府と自由主義」

アゴラ編集部

ミルトン・フリードマン(Wikipedia)

高福祉・高負担の大きな政府か、低福祉・低負担の小さな政府かという問題は、戦後の経済政策の争点でした。1970年代まではケインズ以来の大きな政府を志向するリベラル派が主流でしたが、財政赤字とインフレが世界経済の混乱をまねき、サッチャー・レーガン以来の小さな政府が多くの国民の支持を受けました。

日本でも中曽根政権の国鉄・電電民営化や小泉政権の郵政民営化で「新自由主義」の改革がおこなわれましたが、2000年代からゼロ金利とデフレが続き、財政危機が遠のきました。安倍政権は日銀に国債を買わせ、消費税の増税をたびたび延期して大きな政府を目ざし、小さな政府の時代は終わったようにみえました。

しかしウクライナ戦争で状況は変わり、またインフレ・金利上昇の時代になりました。超高齢化する日本では社会保障給付費が130兆円を超え、国民負担率は45%を超えて、現役世代の負担は限界に来ています。団塊の世代が後期高齢者になる来年からは医療費が激増しますが、その負担が減る見通しはありません。

この連続セミナーでは

  • なぜ後期高齢者は1割負担なのか?
  • GDPの2割を超える社会保障給付は本当に必要なのか?
  • 生涯所得の格差が1億円以上ある状況は持続可能か?

といった社会保障の問題を入口に、大きくなりすぎた福祉国家をどうしたらスリム化できるかを、自由主義のテキストをもとにして考えます。

自由主義は、17世紀のイギリスで生まれた王権の介入から個人の自由を守る思想です。アメリカでは民主党の大きな政府が「リベラル」と呼ばれたので、ハイエクやフリードマンの主張は新自由主義(リバタリアニズム)と呼ばれましたが、彼らは自分の思想をliberalismと呼んでいました。

日本では「新自由主義」が弱者切り捨ての思想と誤解されていますが、最近はヨーロッパでも福祉国家を見直す改革がおこなわれています。これまで政府が全面的に管理していた医療や福祉を民間に開放し、サービス業を活性化しようというものです。

2024年4月からのアゴラ経済塾では政府のあり方を考え、自由主義の思想に学び、日本に小さな政府が必要か、それがどうすれば可能かを考えます。授業はすべてオンライン(Zoom)で行うので、全国の(あるいは海外の)みなさんも視聴できます。録画をあとからYouTubeで見ることもできます。

講師:池田信夫(アゴラ研究所 所長)

テーマ(例)

  • 医療:2階建ての混合診療
  • 教育:大学無償化よりバウチャー
  • 金融:フリードマンはリフレ派か
  • 税制:負の所得税
  • 雇用:柔軟な労働市場
  • 気候変動:石炭禁止より炭素税

など受講生のみなさんの関心に応じて決めます。

テキスト

など随時指定します。

開催日:2024年4月5日から毎週金曜日(全12回)
4月5日・12日・19日・26日
5月10日・17日・24日・31日
6月7日・14日・21日・28日

時間:19:00~20:45(セミナー後にZoom飲み会つき)

定員:無制限(オンラインツールはZoomを使用します)。

受講者全員をアゴラサロンに無料でご招待します(受講期間中は無料)。

受講料

  • 3ヶ月12回分:3万6000円(消費税込み)
  • アゴラサロンの有料メンバー:2万7000円(同)

お申し込み方法専用フォームに必要事項をご記入いただき、フォーム記載の弊社口座へのご入金をもって手続き完了です。

主催:株式会社アゴラ研究所