「自分への投資」と「資産への投資」は同時に行うのが良い

投資とは将来のより大きなリターンのために今ある資産のバリューアップを目指すことと定義できます。投資対象として考えられるのは、自分への投資(自己投資)と資産への投資(資産運用)の2つがあります。

自分への投資とは、自分の仕事の能力を高めることによってキャリアアップを実現したり、本当にやりたい仕事を始められるように力を付けていくことです。

資産への投資は、最近話題のNISAを使った証券投資や、不動産のような実物資産への投資が考えられます。

2つの投資のどちらを先にやるべきかという議論をしている人がいますが、「どちらも並行して早く始めるべき」というのが私の結論です。

自分への投資は年齢が若ければ若いほどその効果があります。同じ自己成長を実現したとしても、それが20代と40代であれば20代の方が価値が高いのです。

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なぜなら、同じ能力なら若い人の方が人材として評価されます。自分が人事の採用担当だったらどうするかを想像すれば、どちらが価値があるかは明らかです。

しかも、若い方がその能力をその後長い期間使うことができます。だから自己投資は一刻も早く始めるべきです。ただし、費用対効果を冷静に見極め、真に自分のバリューアップにつながるものを選択すべきです。無意味な自己投資はお金と時間の浪費になってしまいます。

一方の資産への投資も早く始めた方が良いのは明らかです。

まず資産運用でお金が増えるのには時間がかかります。短期で大きなリスクを取るのではなく、10年単位でじっくり資産を増やしていくのがリスクを抑えた王道のやり方です。

また借り入れを使った不動産投資では、借り入れの条件に年齢が関係してきます。若い方が長くローンが組め、金融機関からの評価も高くなる傾向があるのです。

自分への投資にも資産への投資にも資金が必要です。

しかし、不動産投資であれば一定以上の安定した収入のある人であれば信用力を使って頭金10万円から投資をはじめることができます。そうすれば、自分への投資に回す資金も確保できます。

これからの日本では経済的な不安を解消するためには「収入の複線化」が必須です。

自分が稼ぐだけではく、お金にも稼いでもらう。「自分への投資」と「資産への投資」は同時に行うべきというのは、今までもこれからも私の変わらない考えです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年4月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。