名古屋大学の内田良教授の分析によると、教員採用試験における受験者に占める女性の割合が長期的に減少しつづけており、この「女性の教職離れ」が教員不足の大きな原因になっているとのことです。
かつては「女性が働きやすい」とされ女子学生からの人気を誇っていた教職ですが、今は小学校でも男性が多い職場になっているそうです。
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かつては女性が働きやすい職場の代名詞でしたが、現在の環境はあまりよくないようです。
女性の減り幅が大きいのは確かな事実のようです。ただし、行政よりコンプライアンスが整っている民間の上場企業などに流れている可能性は排除できません。女性の社会進出という面もあるのかもしれません。
大学の定員の変化もあるのではないかという指摘も。卵が先か鶏が先か、判断が難しいところです。
入職者だけでなく女性の退職者も増えているのでしょうか。たしかに30、40年前は女性が生涯働ける職場は限られていましたが、いまは民間企業で総合職にもなれますし定年まで勤められます。
すでに自治体によっては教員採用試験自体が崩壊しているそうです。
文科省の対策のための対策は功を奏していません。
教員の苦境に対する保護者の気持ちも複雑なものとなっています。
ジェンダーの視点も大事な気がしますが、けっきょく公務員とくに教育公務員に労働法制の網がかからないということが問題なように見えます。
現代の教員の仕事の難しさが社会に理解されているとは思えません。教育行政がその状況を説明してこなかったに面もあります。
教職が「女性が忌避する職場」へと変容してしまったのは、女性の社会進出という時代の変化なのかもしれません。女性にとって歓迎すべき変化も、教育行政にとっては逆風となりました。
その変化に対応しようとしない文科省の無策と教育委員会の怠慢が原因であることは間違いないようですが・・・。