現在、多くの企業や個人がLINE公式を活用している。あなたのLINEにも複数のLINE公式アカウントからメッセージが届いているはずだが、なぜ多くの企業や個人がLINE公式を活用しているのか。
ちなみに、筆者も公式LINEを開設した。ご協力いただいたのが、SNSコンサルタントの中川匠統さんである。今回は、中川さんにLINE公式の活用方法について伺った。
LINE公式の強み
中川さんは、LINE公式には3つの強みがあると指摘する。
「まず、お金と時間をかけずにマーケティングができる点です。企業はマーケティングの運用や分析に多額を投下しています。リソースに乏しい中小や個人はマーケティングに費用と時間をかけることが困難です。しかしLINE公式はそれを可能としています」(中川さん)
「費用と時間をかけないことがLINE公式の特徴です。機能の一つに『分析機能』があり、お友達登録している人の年齢層や男女比、地域、流入経路など様々なデータを知ることができます。毎日、自分のLINE公式を使って本当にマーケティングに適したツールなのかを検証し続けています」(同)
その結果、LINE公式は使い方によっては登録者の関心が瞬時に把握できることがわかる。中川さんは登録者の関心毎に配信をセグメントしているようである。
「LINE公式の機能にはどの程度の価値があると思いますか?数年前までLINE公式は、中小企業向けの『LINE@』、大手企業向けの旧『LINE公式』に分かれていましたが、2019年4月に統合されました。月額費用が250万円以上という高額なサービスを、個人が利用できるようになったのです」(中川さん)
LINEは生活インフラの一部である
LINEの国内のアクティブユーザー数は9000万人を超えている。これは日本の人口の70%以上を占めており、他のSNSと比較しても圧倒的と言えるだろう。
さらに、総務省の調査データによれば、2020年のLINE利用率は10~40代で90%を超え50代では85.5%、60代でも76.2%と高い利用率をあらわしている。
「ビジネスを発信した際に大事なことは『見てもらう』ことです。いい配信をしても誰にも見られなければ意味がありません。LINE公式でメッセージを配信したときの開封率とクリック率は次のとおりです。①開封率は平均で60%(メルマガの平均開封率は10%程度)、②クリック率は平均で30%(メルマガの平均クリック率は1%程度)です」(中川さん)
「LINE公式は登録者へ伝えたい事が相手に届く確率が一番高いSNSだと言えます。大手企業が月額250万円以上のお金を支払い、相手の反応を得るために活用していたLINE公式が今は無料で使えるのでSNSを活用してビジネスをPRしたいと考えている方に最適なツールです」(同)
しかし、私のように理解がおぼつかないと使えないことも事実。戦略的に利用していくには、機能を含めてある程度は精通しないといけない。LINE公式に関しては未だに浸透しているとは言いにくい。いまがチャンスかも知れないので、私も勉強してみるつもりである。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
■
■
2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)