ココロの鎧を脱がせる?心を開くための声の使い方とは

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今回、元FM802アナウンサーで、現在フリーナレーターとして活動している、下間都代子さんが初出版をされた。主宰するClubhouse(音声SNS)の「耳ビジ★耳で読むビジネス書」 は5000名近いリスナーを抱える人気番組でもある。

https://www.clubhouse.com/house/%E8%80%B3%E3%83%93%E3%82%B8%E8%80%B3%E3%81%A7%E8%AA%AD%E3%82%80%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E6%9B%B8

【参考記事】読書の力と魔法!なぜ読書は人を幸せにするのか?

阪急電鉄の車内放送、京阪電車の駅構内放送などでも著名な声の専門家が、信頼される「声」と「話し方」の秘密について解説したい。

この人なら!と秒で信頼される声と話し方」(下間都代子著/日本実業出版)

ココロの武装解除

いまの社会では、意図せずに他人の無思慮な言葉や中傷に巻き込まれるリスクがある。このようなリスクは極力避けたほうがいいし、巻き込まれることは得策ではない。そのため、慎重に行動することが求められ、自己防衛が必要になってくる。

「心の鎧を常に身につけなければならないということは、片時も安心してリラックスすることができないことを意味します。自分以外の人に対して、『この人は自分のことをどう思っているのだろうか。敵か?味方か』と、疑いながら付き合っています。敵か味方かわからないうちは自分の本音をさらけだすことはできません」(下間さん)

下間さんは、傷つけられるのを避けるために「ココロの鎧」を着けていると言う。しかし、それは声によって軽減することも可能である。「ココロの鎧」を脱がす声とはどのようなものか?

「心の鎧」を脱がすには、自己認識として、自分の感情や反応に気づくことが前提である。それらがどのように「心の鎧」を形成しているかを理解しなければいけない。

さらに、他人とのオープンで誠実な対話を通じて、理解と共感を深めることに気づかなければいけない。「ココロの鎧」を脱ぐことは、自分と他人とのより深いつながりを理解しなければいけないのである。

信頼関係の構築

他人との信頼を築くためには、次のようなステップが必要になる。

  1. 自己認識=誠実に自分の言葉に責任を持つこと。約束を守ることで信頼性は増加する。
  2. 共感的理解=相手の感情や立場を理解することで心の距離を縮める。
  3. オープンネス=自分の考えや感情をオープンに伝える。さらに相手の意見を尊重する。
  4. 秘密保持=秘密や個人的な情報を守ることで、信頼関係を強化できる。

信頼は一朝一夕には構築できないものだが、時間を掛けすぎるとロスが生じてしまう。短時間で、これらの原則に従うことで、信頼関係が構築される。

これは、営業マンと顧客の関係をみればわかりやすい。どんなにいい商品であっても、信頼関係が構築できていない相手からは購入したいからである。

人は声で評価する

性格や習慣化された仕事の進め方は簡単に変えられないが声を変えることはできる。声が変わるだけで、成果が変わるなら実行しない手はない。

プレゼン、スピーチ、電話応対、営業、接客など、ビジネスの現場では人と人とのコミュニケーションがつきもの。そのコミュニケーションは声の対話に帰結する。

社内を見渡してもらいたい。声の影響で、話す言葉に説得力が増し、好感度が上がったり、人から信頼されている人はいないか?声が仕事の成果を左右するのは、もはや当たり前のことだともいえるのである。

P.S.
僭越ながら、今回、初出版の夢を実現した、下間都代子さんの前途を祝します。「耳ビジ★耳で読むビジネス書」 のさらなる発展を祈念いたします。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)