正確な情報収集を妨げる「極端化」と「一般化」

SNSでのフェイクニュースなどが話題になる位、世の中には誤った情報が溢れています。

フェイクニュースは論外ですが、意図的に偽情報を流そうとしなくても、知らない間に真実とは異なる情報伝えてしまうこともあるのです。

その1つの原因が「極端化」です。

例外的な事情であっても、センセーショナルで多くの人が興味を持つような情報が拡散されやすくなっています。

例えば、ハワイの物価は昔とそれほど変わらないというより「ハワイは高い」という話の方が面白く興味をひきます。

だから「コンビニのおにぎりが1個700円」「ペットボトルのお茶が1本500円」といった情報はすぐに面白おかしく拡散します。間違った情報とは言いませんが、そこだけフォーカスするのはバイアスがかかりすぎです。

相変わらずハワイの方が日本より安い商品も存在するのです。

また「一般化」も情報を歪ませる原因となります。

円安で、日本人がハワイに来なくなったというのが一般的な認識かもしれませんが、相変わらず定期的にハワイに来ている人たちも存在します。

実際、今回も滞在している数日の間に同じタイミングでハワイに来ている複数の友人と会う予定があります。彼らは、コロナ禍は別として今も同じ頻度でハワイに来て長期滞在しています。

日本人全体がハワイに行かなくなったのではなく、彼らのようないわゆるハワイフリークの人たちは相変わらずハワイ旅行を楽しんでいます。

どこでも良いから海外旅行に行きたい人たちが、価格が上昇してしまったハワイより割安な東南アジアなどに行き先をシフトさせています。だからハワイの日本人観光客が全体では減っているものの、ワイキキの街中やレストランでもそれなりに日本人が歩いているのを見かけます。

例外的な出来事を強調しすぎたり、「日本人は〜」というように一般化しすぎると物事の本質を見逃してしまうことになります。

そうならないためには、出来る限り一次情報を得ることで自分の目で確かめるしかありません。

メディアやSNSなどで得られる情報は、参考にしても、鵜呑みにはしてはいけない。そして複数の情報ソースを使ってバイアスのかかった情報の修正を行うことです。

私がこのブログ書いていることも、もしかしたらバイアスがかかっているかもしれないと疑ってかかった方が良いでしょう(笑)。

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編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年5月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。