資産デザイン研究所は設立してから、社員を雇ったことは一度もありません。一緒に仕事をしてくれる仲間は業務委託契約でお仕事をお願いしています。
その理由の1つは私の性格にあります。人を評価したり命令して仕事をさせるのがどうにも性に合わないのです。会社勤務時代も仕事の中で一番苦痛だったのが、部下の評価でした。
業務委託契約の場合は、人事評価の必要はありません。お互い一緒に仕事をしながら、双方にとってメリットがあるかどうかを確認することになります。業務委託する必要性が無くなれば、どちらからでも契約を解除すれば良いのです。
このように書くと何だか冷血なエゴイストのように感じるかもしれません。しかし、仕事とは能力だけではなく、お互いの相性もあります。結婚と同じように、気が乗らない人と無理して仕事をするよりも、お互いにもっと良い関係で仕事ができる環境を早く探した方がハッピーです。
ところが会社の組織だとこうはいきません。例え上司との折り合いが悪くても、人事異動が無ければ我慢して一緒に仕事をしなければならないのです。
業務委託契約で仕事をする場合、絶対に外せないのは「貢献度に見合った報酬」と「お互いの信頼関係」です。
そのために多くのプロジェクトで「レベニューシェア」を導入しています。これはプロジェクトから実現した収益を、予め決められた比率でメンバー間で配分する方法です。
レベニューシェアであれば、全員に収益を最大化しようとするインセンティブが働きます。ただし貢献度と配分比率が見合わなければ修正していく必要があります。貢献度に見合わない多額の報酬をもらっていれば、不公平感が高まり契約は続きません。
また、長期で仕事を一緒にするためには、良好な人間関係が成立するような信頼できる人であることが必須です。ビジョンを共有できない人やウソをつく人とは関わらないようにしています。
プロジェクト毎のレベニューシェアによる業務委託という方法によって、社員ゼロでも不動産仲介、資産運用コンサルティング、投資家コミュニティ、イベント開催、民泊運営、ワンルームマンション紹介など様々な事業を軌道に乗せることができました。
社員を雇って同じことをしていたら、どうなっていたかと考えるとゾッとします。
同じ組織の上下関係でないからこそ、逆に緊張感を持って楽しく仕事ができる。そんなありがたい仕事上のパートナーには、もっともっと感謝しなければなりません。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年6月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。