黒坂岳央です。
英語の勉強を教える仕事をしている立場から「簡単に諦めるな」という話をよくする。自分自身も諦めは悪い方でやりたいことは何年でもかじりついてしつこくやり続ける気質である。
しかし、年齢を重ねると分かってきたことは人生は簡単に諦めてはいけないことと、見切りをつけて諦めた方が良いことの2種類存在するということだ。両者の境界線はどこにあるのか?
諦める、諦めないの境界線
諦めるべきか、諦めないべきかの境界線を一言でいうと、やり直せる回数があるかないかだ。
たとえばギャンブルは続けるとほぼ確実に身を滅ぼすことは確定的である。なぜなら、運良く勝ち続ける局面があっても最後には期待値に収斂してトータルでは負けてしまうからだ。加えて軍資金にも限りがある。
心では諦めたくなくても「ああ、このゲームルールで勝負をすればするほど負けてしまうのだな」と理解したら、さっさとやめて身を引くべきである。何でもそうだが、挑戦できる回数に限りがあるものを無理に続けることで最後にはジリ貧になる。
その一方で諦めてはいけないことは明確だ。つまり、この逆をすればいい。何回でもやり直せるゲームはしつこく続けていけばいつか必ず成功できる。たとえば勉強はその筆頭だ。
「一発合格!」と条件をつけられると話は変わるが、基本的に社会人が検定試験を受ける時など諦めずに続ければ良い。「一発で合格しなくても何回でも受け直せば良い」ということなら簡単である。不合格になったら弱点を把握して、そこを改善して再挑戦すれば良いだけだ。いつかすべての弱点を克服できた時に合格できるだろう。
自分で変えられないことはしない
また、もう1つ条件がある。それは自分の力で変えられないことは最初からできると考えず、諦めて手放すべきということだ。
たとえば他者理解である。これは最初から変えることができないパラメータと割り切る他ない。「あなたは自分のことを分かっていない! この部分もちゃんと理解してほしい!」と願っても、相手の認識は相手の領域なので、こちらが手を出すことができないのである。
相手から好かれ/嫌われていても、それを変えることは決してできない。あれこれ伝えても余計に嫌われて徒労に終わる。なので相手にお任せするほかはないのだ。
また、適正の有無もこだわって食らいつかずにさっさと諦める方が良いだろう。やっていて楽しいと思わない強い苦痛の伴う仕事や、社風が合わない会社などどうやっても慣れないものはある。
そんな時、自分の適正を変えることはできないので、こだわらずに早めに見切りをつけて次のステージへ進むのが良いだろう。自分も会社員の時も、独立した後もやってみて合わないものは無理に続けずに次に進む、ということを繰り返してきた。
◇
様々論じたが、これに当てはまらないケースももちろんある。たとえば諦めずに何度もしつこく熱烈にアタックしたことで、最初は断られていたが熱意に負けて結婚、今は幸せな家庭を築いているという話もあるのだ。見極め上手になりたいものである。
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