黒坂岳央です。
SNS界隈では定期的に企業の人事アカウントが炎上してしまい、謝罪やアカウントの廃止に追い込まれることがある。実はこの炎上騒動には法則性というか毎回同じパターンが存在しており、自分自身も炎上の火種にならないための身の振り方を学ぶことができる。
個人的に炎上を目撃してそこから得られたパターンを取り上げたい。
※本稿は「人事アカウント全体がそうだ」といっているわけではない。あくまで「炎上した人事アカウント」について言及している。
1.上から目線
1つ目の理由は上から目線、ということである。
自分たちは採否を「選ぶ側」であり、学生たちは「選ばれる側」なので、振る舞いやコミュニケーションの言動には気をつけなさい、という態度が透けて見える投稿は炎上しやすい。
特に昨今、空前の人手不足でありよほど大人気企業でなければ学生を両手で受け入れたいと考えている会社ばかりだ。そのような労働市場の環境認識ができておらず、20年前のデフレ経済の感覚が残ったまま「こちらは選ぶ側だ」という姿勢は「何様?」と多くの人の反感を買ってしまうのだろう。
だがこれはある種、職業病のようなものだと思っている。人事部は実際、日常的に相手を評価したり採用したりその逆に退職勧告をしたりと「ジャッジを下す仕事」をしている。その姿勢がそのままSNSの投稿に出てしまうのだろう。炎上を回避するにはよほど客観性を意識して投稿するか、もしくは投稿内容を事前にAIフィルタリングしてからが良いだろう。
2.晒し上げ
2つ目は晒し上げ行為である。
会社は様々な人が集まる場なので、時折社風に合わなかったり一般常識を逸脱した行為もどうしても出てくる。多くの場合、小さなダメージで済んだなら次善策を講じて忘れて次へ進むしかないわけだが、正義感の強い人は一部始終のやり取りをSNSにEメールやLineなどのやり取りをスクショ投稿して私的な怒りを出してしまうことによって、逆にSNSでリンチにあってしまう。
当たり前だが、個人的なやり取りを公衆の場に晒す行為は、相手の許可がなければコンプライアンス上の問題になる。一般常識的な社会通念で考えても「立場が上のものが相手の行為を私的な怒りで公共の場に晒す」というのは明確に問題である。それにイチイチ、仕事の不満や怒りを周囲にぶちまけてしまうのは精神的に未熟であり、それが採用の入口になっているアカウントがやってしまうのはたとえ相手に非があっても企業イメージダウンは避けられないだろう。
不満を感じても社内で愚痴を言うくらいで留めた方が賢明である。
SNS採用は経営者の仕事
昨今の人手不足で、どの企業も優秀な人材に来てもらいたいと強く望んでいる。そのツールとして確かにSNS採用は強力な武器になるだろう。自分自身、特にそのような採用意図は一切ないが「あなたと一緒に仕事をしたい!」と言われることがある。
しかし、その仕事やカリスマ性が人事アカウントに持つことができるだろうか?これは能力に疑問を持ってバカにしているわけではなく、役割として適切かどうかという問いである。それは経営者ができるのではないだろうか。経営者のリーダーシップや人となりに魅力を感じて、直接応募を集める引力がSNSの経営者アカウントにはある。
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人事アカウントは強いカリスマ性を持つことを目指すより、あくまで働きやすい職場環境や楽しく仕事をしている様子をわかりやすく伝える役割にコミットする方が企業全体でうまくワークするように思えるのだがどうだろうか。
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