携帯ボンベでバス初乗り
コロナウイルスによる重症の急性肺炎にかかり、立川相互病院に救急車で搬送され、丸2週間入院していました。退院したのが6月1日で、昨日の11日に退院後初の検診にいってきました。結論は「次回検診の7月9には、酸素補給器と酸素ボンベが不要になり、普通の生活に戻れます。そのつもりでいてください」という朗報でした。
「あとひと月も酸素補助か」という気持ちと、「それに備え自己流リハビリで、体力回復に努力しておこう」という気持ちの交錯です。コロナとは知らず、自宅で寝込んでいたのが数日、急性肺炎で体が動かなくなり、救急車で病院に搬送されの入院生活が2週間、自宅療養が1か月と10日です。合わせて2か月の闘病生活という計算になります。
行きはタクシーに乗り、帰りはバスでした。携帯ボンベを引いた人を見かけると、体の自由があまり効かず、同情に値すると思っていました。同情される側に自分が回るとは、想像さえしていませんでした。いい経験です。
退院後初の検診では、「体内で炎症反応や組織の破壊(私の場合は肺胞)が起きると現われるCRPという名の物質の数値が劇的に下がっている」との診断です。緊急入院時のは39(5月18日)が18(5月21日)、7(5月23日)、1.7(5月27日)と下がり、検診日は0.06(6月11日)でした。
他にも20項目ほどの数値検査があり、ほぼ正常でした。肝臓、腎臓、蛋白、血圧などにも変化は見られませんでした。血液検査をして、1時間足らずで詳細なデータが医師のパソコン上でみることができる。医療技術の進歩に驚くばかりです。
レントゲン検査の写真をみると、医師は「炎症を起こした組織が肺にまだ残存しており、それが除去されると肺の酸素機能は元通りになる。7月9日にはそうなっているはずです」との診断です。肺の画像にかすみがかかったような部分があり、そのことをいっているのでしょう。
自宅では酸素補給器と携帯ボンベセットでレンタルで借りられ、医療保険も使え一月1.5万円(自己負担率2割)です。設置場所から風呂場まで10数メートルもビニールパイプを引いていく面倒、外出時は携帯ボンベをガラガラ転がしていく面倒はありました。急性肺炎は重症度9という最悪の状態で、手遅れになれば、意識不明のまま、皆さんとお別れしているところでした。
担当医師に「地元の医院で検査と受けた時、『すでにコロナにかかっているから、早めに専門病院で治療を受けたほうがいい』と指示してくれれば、もっと軽くて済んだはずだったのでは」と質問しました。
「その医師を責めてはいけません」というのです。コロナウイルスが感染法5類に分類されたということは、自宅で処方箋の薬を飲み、重症化したら入院するという仕切りになっているのでしょう。社会全体からみると、そのほうが医療システムも混乱せず、しかも費用は自己負担(保険は効く)で国はコロナ予算(19年度から21年度までで94兆円)も少なくて済む。そうしたことなのですね。
編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2024年6月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。