ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアの軍事侵攻に対して徹底抗戦しつつ、年内に戦争を終わらせる計画を準備する意向を示しました。28日のキーウでの会見で、世界の多くが支持する終戦計画の重要性を強調しましたが、具体的な内容は明らかにしませんでした。
第2回「平和サミット」などで発表する可能性がありますが、その実現には大きな困難が伴います。
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ゼレンスキー大統領が降伏するのではないかという憶測も流れましたが、現時点では「終戦の計画」という表現にとどまっています。
ウクライナ側からは降伏どころか停戦もできない状況に変わりはありません。
ここ数日も激しい戦闘は続いています。
けれども今回のゼレンスキー大統領の発言は近々のアメリカ大統領選挙の情勢が影響しているとの見方が多く見られます。
ウクライナを巡るトランプ氏とバイデン大統領の主張は真っ向から対立しています。
6月に開かれたスイスのビュルゲンシュトックの「第1回平和サミット」で共同署名の歩調は乱れました。これもゼレンスキー大統領の判断になにか影響しているのでしょうか。
参照:「平和サミット」でウクライナは何を得たのか 篠田 英朗
「平和サミット」でウクライナは何を得たのか
ウクライナ「平和サミット」が終了した。主催者によれば、92カ国・8つの国際機関が参加したという(主催者のスイスを含めると93カ国)。ただし、会議を締めくくる「共同宣言」に賛同からは、ほとんどの非欧州参加国が離脱した。
賛同国は、当初は...
日本政府はつい先日ウクライナと10年間の安全保障協定に署名しています。国際政治にどのような影響を与えるのでしょうか。
いずれにせよロシアとの妥協点を探るのは難しく、戦争の短期的な収束は望みが薄いようです。