出口里佐です。
本日は、地下鉄銀座駅から徒歩5分ほど、Gucciオステリア東京をご紹介します。
並木通りのビルに近づいていくと、ファサードのひときわ鮮やかなイラストが目を引きます。人気イラストレーターのヒグチユウコさんによる作品だそう。
もう少し近づくと、Gucciのお店らしく、猫の女の子の手にはGucciのハンドバッグ!女性なら、もうこれを見ただけで、「何があるんだろう?ここに入ってみたい!」と思うのではないでしょうか。
友人とランチ予約していた時間の3分前にドアを開けると、目の前には緑色を基調とした空間。ベルベットの生地のソファで、少しだけ腰掛けて、友人の到着を待たせていただきました。この数分間だけでも、ワクワクする気持ちがふくらみます。
友人とともに緑の廊下の奥のエレベーターに乗って、レストランのフロアへ。ドアが開くと、レストランのスタッフが席に案内してくれました。
メインダイニングの席を予約していましたが、テラス席もあるようです。ちょっと今は、暑いので、涼しくなったら利用してみたいです。
窓側はオープンなテーブル席ですが、私達が通されたのは、カーブしているソファの背で隣が見えないように配置されていて、半個室のような感じで落ち着きました。
そしてテーブルの上には、ピンク色の紙に黒い字のメニュー。ナプキンは、少し生成りっぽい白に黒いレースの可愛い縁取り。レストランで縁取りがあるナプキンを見たのは初めてです。このお店はディテールが楽しく、見つけるたびにワクワク。
飲み物は、柚子とショウガのソーダ(1500円税込)と、ガス無しのミネラルウォーター、アクアパンナ(1200円税込)をお願いしました。お料理は、ランチコース(16000円税込)を予約していたので、あとは待つだけです。
Gucciオステリア東京は、フィレンツェ本店、ロサンゼルスのビバリーヒルズの次に、3番目にできたお店。Gucciオステリアは、その後ソウル店もオープンして世界で4店あるそうです。
正式な名称は、Gucciオステリア ダ マッシモ・ボットゥーラ。マッシモ・ボットゥーラ氏は、エミリア・ロマーニャ州モデナにある、ミシュラン三ツ星、世界レストランランキングで1位になったこともある、「オステリア・フランチェスカーナ」のシェフなので、クオリティはお墨付き。
フィレンツェが本拠地のGucciとコラボするレストランならば、イタリアの洗練されたセンスで最高の料理が楽しめるのではと、期待しないわけにはいきません。
Gucciと同じように、フィレンツェが本店の食器ブランド、ジノリがコラボしていて、料理と同様、食べている途中から食べた後まで、その色やデザインを楽しむことができます。
最初のアミューズは、小さなお料理が3品。マイクロバジル、モッツアレラチーズ、マイクロトマトの、小さなカプレーゼは、白地に深緑色の花柄の絵のお猪口(のような小さなボウル)を逆さにして盛り付けられていました。メロンと生ハムの泡の料理は、食べ終わった器の中に、ワインカラーの赤い蝶々のイラスト。
もう一つのアミューズは、モナカ生地の表面に「一緒にイタリアに帰ろう」という意味のイタリア語。ここにいると、イタリア・フィレンツェのお屋敷に招かれたような気分になります。レストランの入り口の天井近くの壁にはフィレンツェの貴族、メディチ家の方の詩が刻まれていました。
床の柄も、フィレンツェっぽいのです。壁のシャンデリアは、カラフルなベネチアンガラスで、これを見ているだけでも、私は時間が経つのを忘れます。
前菜の一つ目は、Calamaro Farcito。イタリア風のイカ飯です。プロシュート(生ハム)をカットするマシンで、イカを薄くカットしたシートに、味付けごはんが潜んでいました。旨味のあるトマトソースが取り囲みます。カラフルなエディブルフラワーが華やかさを演出。
二つ目の前菜は、Carpaccio。お肉のカルパッチョの上に色とりどりのエディブルフラワーとナスタチウム、そのしたの円筒の中と下にもソース。葉巻のようなサイズで、指でつまんで食べるのがちょうど良かったです。
パスタは、Nerano。ネラーノとは、イタリア、ソレント半島の村の名前で、この名前のパスタは、本来は揚げたズッキーニとプロヴォローネ・デル・モナコというチーズが材料だそう。この料理では、チーズはパルミジャーノレッジャーノだったかも(説明してくださったのに記憶があいまいです)。
マイクロバジルとミントがパスタの上に、ソースはバジルとミントのオイル。パスタの中にも詰め物があり、これが、揚げたズッキーニとチーズを混ぜたものだったのかもしれません。白いジノリのお皿の柄が、円がすこし重なって少し斜めにずれているのが、まるで天体の軌道のよう。
メインはPeposo。ペポーゾとは胡椒の意味。トスカーナ地方に伝わる、牛肉、赤ワイン、胡椒で煮込んだ郷土料理だそうです。安価な硬い肉を長時間煮込むことで柔らかくして食べやすく工夫した、レンガ職人風の赤ワイン煮込みとも呼ばれている料理らしいです。
しかし、今回のお肉は、牛肉ではなく、豚肉、それも千葉県のブランド豚「花悠(かしゅう)」。これが、脂身まで美味しく、カリッとしていて、嚙めば嚙むほど旨味を感じるお肉でした。白いんげん豆が肉汁を吸収して、山椒がピリッと効いて、イタリアの庶民の郷土料理が千葉県のブランド豚とシェフの技によってガストロノミー料理に見事に変身していました。この花悠豚があまりにも美味しかったので、こんどは自宅でオンラインショップからお取り寄せして食べたいと思ったほどです。
デザートは、Camillaと名前のついた、ウサギのお皿。ウサギが好きな人参を使ったジェラートが、ラングドシャの下に隠れています。左側には、人参の葉っぱなどのサラダ。デザートにサラダもついてくるのは、面白いですね。
飲み物はカプチーノをお願いしました。ラテアートが可愛かったです。
ミニャルディーズ(小さなお菓子)は、抹茶のしっとりしたフィナンシェとピスタチオのカンノーリ。最後まで美味しくいただきました。
テーブルについてくださったスタッフの方がとても親切で、こちらの細かな質問にも丁寧に答えてくださいました。また、季節が変わったら行きたい居心地の良いお店です。
アゴラの読者は男性が多いと思いますが、奥様や大切な方、特に女性を連れていくと喜ばれるのではないでしょうか?
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Gucci Osteria da Massimo Bottura Tokyo