高松から40分 瀬戸内に浮かぶ小島へ
7月7日、とても暑い日。香川県の高松港にやってきました。
JR高松駅から5分ほど歩いた場所にあるこの港からは、高松と瀬戸内海に浮かぶ島を結ぶ船が数多く出ています。
わたしも船に乗って近くの島に渡ってみようと思います。小さな島に向かう船ということで舐めていたんですが立派なフェリーが待機していて驚きです。
わたしが向かうのは男木(おぎ)島。鬼ヶ島伝説で有名な女木島とならんで高松市の北に浮かぶ小さな島です。
フェリーはゆっくりと島に向かって進みます。エアコンの効いた客室からでることもできます。暑いですが海風が気持ちいい。この日、わが静岡市では40.0℃を記録したらしいですが雲泥の差。とても過ごしやすいです。
フェリーに揺られて40分ほどで目的地の男木島港に到着します。平地の少ない男木島。港の周辺に民家が集中していて標高の高いところまで建物が立ち並んでいるのがわかります。
アートを眺めつつ瀬戸のマリンブルーを望む贅沢散歩
無事男木島港に到着しました。島に上陸するとアーティスティックなデザインの建物が目に留まります。こちらは「男木島の魂」と呼ばれる芸術作品。乗船券の販売や船の待合室として活用されています。
屋根はなんだか文字のよう。
実際、地面に落とされた影を見ると文字になっているのがわかります。貝殻をデザインしたこの屋根は漢字、アルファベット、ギリシャ文字など8つの言語が組み合わされてできているそう。男木島は3年に一度開催される瀬戸内トリエンナーレの会場にひとつになっており、このほかにも芸術作品が残されています。
そんなことも踏まえながら島を散策してみることにします。多くの小島と同様、男木島も島の少し奥に入るとこのような細い路地に沿って民家が並びます。大型のフェリーで来ることができる割には車で走れる場所は限られています。
港から民家のある通りを登って少し小高い場所に上がれば瀬戸内海を望むことができます。
瀬戸内の青い海を望みながら、外でパソコンを使って仕事をされている方がいました。何という贅沢な職場環境。ああ、わたしもこんな環境で仕事がしたい!心からそう思いました。
瀬戸内トリエンナーレの際にパビリオンとして使われていた箇所の多くは今は閉館中ですが、ところどころで廃材を活用してカラフルに彩られた壁を見ることができます。その向こうには島の鎮守である豊玉姫神社の鳥居があります。折角なのでお参りをしていきましょう。
平和に暮らす猫たちに出会える猫の島
急な階段を登れば港とその先に四国本土が望めます。この島には本当に夏の海の青がよく似合います。
神社にお参りを、と思って拝殿をのぞくと猫が寝ていました。なんという大胆な寝姿…。この島の猫がいかに平和な環境で暮らしているかがわかります。
猫は民家の裏でも寝ていました。民家につき立入禁止の看板の下。ここなら観光客も来ないと知ってここを選んで寝ているのでしょうか。
店の入り口でも寝ています。日陰で気持ちいいのかな?でもお客さんがここを通るからジャマになりますよ…?
このほかにも倉庫の影で眠る猫、
日陰を選んで器用に眠る猫がいました。男木島は猫の島とも言われています。その名に恥じることなく、島を歩いていると方々で猫に出会います(ほとんど寝ていますが)。
島猫写真展というイベントをやっている施設もありました。
館内は猫の絵や写真がずらり。どれもこの島に住む猫たちで、地元の専門学校の学生たちの作品です。
ここにも猫がいました。さきほどの大漁旗に描かれた「ゴンちゃん」のようです。あいさつ代わりにお腹を撫でたら怒られました。おさわりはいけないようです。
今にも歩きだしそうな「方舟」を訪ねる
島の東部にある漁港を抜けて、トリエンナーレの際に造られて今も残る作品を見に行きます。
海岸沿いを歩いていくと何やら白い物体が見えてきました。
とってもシュールな作品でした。「きのこの山」が暑さで溶けてくっついたらこんな感じ…?「歩く方舟」と呼ばれる作品はノアの方舟をイメージして作られました。
このまま堤防を歩いて海に突入していってしまいそう。
島をぐるっと散策して港に戻って来ました。2時間ほどの滞在でしたが青い海にトリエンナーレの芸術作品、それに島猫たちを眺めることができて充実した時間を過ごすことができました。
実はもうひとつご紹介したい場所が島内にあるのですが、それについては次回お話ししたいと思います。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年7月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。