いま、日本の図書館が新しい⑧:男木島図書館

高松市の北に浮かぶ小さな島、男木島。

ここを訪ねたのはこの風光明媚な景色を見るためでもありますが、実はもうひとつ目的がありました。

それは島にある小さな図書館「男木島図書館」に来たかったから。それまで図書館がなかった男木島に2016年に開館した私設図書館。古民家をリノベーションした他にはない図書館です。開館日は主に土日祝日ですが開いていない日もありきまぐれで訪ねるときは注意が必要です。開館日はHPで公開する「ときもあって」こちらもきまぐれです。

男木島図書館|Ogijima Library男木島図書館

それでは中に入ってみましょう。本棚の前にはかつて島の学校で使われていた学校用の机が並べられており懐かしさを感じます。

吊り下げられた裸電球がなんとも趣深い。

ソファでゆったりくつろいで好きなだけ本を読むことができます。

四国本土まで行かなければ本を読むことができない。そんな環境から脱するべく移住者夫妻が古民家の改装や本の寄贈を呼び掛けるなどして奔走して快感にこぎつけた図書館。子どもの頃を思い出しながら学校用の机で本を読むのもよし、ゆったりソファで寛ぐのもよし。今では市民の憩いの場であるとともに島を訪れる観光客のひとときの安らぎの場として機能しています。

あなたのお気に入りの一冊はどこに?

本の多くは開設者である額賀順子さんの蔵書。それに島内外の方からの寄贈による本が加わります。とくにジャンル分けされて並べられているわけではないのでゆっくり古民家の中を歩いてお気に入りの一冊を探すといいでしょう。

「男木島図書館が今欲しい本」はこちらに掲載されています。もし島の文化レベル向上のために一役買いたいと思う方は是非寄贈下さい。

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この日は開設者の方はおらず、香川大学の学生が店番をしていました。小さなカフェが併設されており、コーヒーなどの飲み物を提供してくれます。わたしも学生さんが作った素朴な味のアイスコーヒーで一休み。四国出身の西原理恵子さんの本をめくりながら時間を過ごしました。

石でできたコースターがまた味があっていい。今回は訪ねませんでしたが島の最北にある島のシンボル、男木島灯台が描かれています。

本を借りてこんなところで本を読むこともできます!

ハードカバーの本は島民(男木島、女木島、大島在住)しか借りられませんが、文庫本なら島外に住む人も借りられます。借りられる期間は1ヶ月。またこの島を訪ねる理由づくりのために本を借りてみるのもいいかもしれませんね。

古民家をリノベして手作りで作りあげた私設図書館「男木島図書館」。ほかにはない素朴な図書館はとても温かく人のぬくもりを感じる図書館でした。都会の生活に疲れたらふらっと船に乗り、この図書館に来て静かに本を読むのも素晴らしい休日になるのではないでしょうか。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年7月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。