株暴落「ナンピン買い」も選択肢

日本株式市場最大の暴落

2024年8月5日日経平均株価は4451円28銭という日本株式市場最大の暴落を記録した(終値3万1458円42銭)。このため本年7月11日につけた史上最高値4万2224円02銭からわずか1か月足らずで1万円以上も暴落したことになる。

株暴落の原因については、米国経済の景気後退懸念、7月31日の日銀の利上げによる急速な円高、輸出産業の業績悪化懸念などが指摘されているが、おおむねその通りであろう。筆者は、それに加え、7月11日の史上最高値更新による高値警戒感、信用取引の買い残増加も株価暴落の一因と考える。

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「アベノミクス批判」は相当ではない

一部の評論家や日本共産党は、今回の株暴落は「アベノミクス」が原因であるかの如く主張する。共産党は今回の暴落を「アベノバブル崩壊」と表現し、日銀の異次元金融緩和による実体経済を離れたバブルの崩壊であるという(赤旗8月6日)。

しかし、「アベノミクス」は異次元の金融緩和、財政出動、成長戦略の「三本の矢」の政策により、民主党政権時代の1ドル80円前後という超円高と日経平均株価8000円前後という超デフレ経済を克服し、輸出産業の業績を向上させ、外国人観光客を飛躍的に拡大し、外国人投資家を増やし、600万人の新たな雇用を創出し、GDPを拡大させ、日経平均株価を5倍の4万2000円を超える史上最高値に押し上げるなど、実体経済に与えた影響と功績は大きいから、株暴落をとらえた「アベノミクス批判」は相当ではない。

株暴落は「ナンピン買い」も選択肢

今回の株暴落は企業業績など日本の実体経済が突然悪化したわけではないから、上記の懸念が解消されれば、株価は急速に回復し再び4万円台を目指す展開となろう。現に翌8月6日の株価は3200円以上も上昇し急反発している。

そのうえ、今回の暴落により、それまでの1日の出来高は17億株前後であったが、8月5日40億
株、6日34億株、7日32億株と倍増した。このことは、「追証」による投げ売りにより信用取引の買残(シコリ)が急減し整理されたことを意味する。加えて、株暴落による「売られ過ぎ」で株式投資の重要指標である株価収益率(PER)が改善され株価の「割安感」が出たから、いずれも今後の株価回復にプラスである。

今後の「NISA」などの個人投資家としては、中・長期投資を目指すならば、購入株単価を引き下げ平均化する割安株の「ナンピン買い」も一つの選択肢であろう。筆者が加藤金徳のペンネームで2005年に出版した『3か月で資金3倍増:加藤式デイトレード投資法』(東京あっぷる出版社刊、楽天ブックス)を参考にされれば幸いである。