真夏の城ヶ島ウォーク

神奈川県の三浦半島をめぐる旅。半島の南端、三崎港からバスに乗り城ヶ島にやってきました。城ヶ島バス停の前にもまぐろを食べられる場所が軒を連ねています。

城ヶ島は三浦半島の南端、三崎港の対岸にある神奈川県最大の島です。1960年に城ヶ島大橋が作られて橋でつながって以降本土と一体となった町づくりが進められてきました。城ヶ島があるおかげで三崎港は風をまともに受けることがなくなり、天然の良港として発展を遂げることができるようになりました。

城ヶ島は海底火山が噴火した噴火堆積物が南洋から運ばれ、本州にぶつかったのちに隆起して海上に現れた島です。そのため特に島の南から西にかけては火山島としての様相を色濃く残しています。

そんな城ヶ島の海岸線を観に西に向かって歩いていきます。

固さの異なる地層が隆起し、柔らかい地層部分が波に侵食されてこのような地形が出来上がります。ダイナミックな地球の営みを目の前の見ることができます。

島の西南橋は岩礁が最も隆起している場所で波の浸食も少ないようです。南の方に人影があるのでそちらまで登ってみます。

眼前に広がる東京湾。

南端まで来るとその先にはもう陸地はなく、東京湾が広がります。絶好の釣り場のようで釣りを楽しむ人たちで賑わっていました。

こちらでも波が柔らかい泥岩を削っていった様子が見て取れます。
まさに自然が作り出したアートです。

南岸に回ってくると岩場も比較的平坦になっています。入り江が何か所かあってその周りにテントを張り、海水浴を楽しむ観光客で賑わっていました。

南岸からは城ヶ島灯台を望むことができます。東京湾の玄関口に位置しているだけあってその歴史は古く、日本の開国直後、明治3年に建てられました。日本で5番目に古い灯台です。近くまで登ることができるようですが、この日はとても暑くその気力がなく断念します。

ここからは岩場ではなく歩きやすい道を選びました。これは城ヶ島ハイキングコース。城ヶ島灯台から東端の安房崎までを結びます。高台にあるので海を見渡せるのかと思いきや、防風のためなのか背の高い草が視界を遮ります。

見晴らし台からの景色。

それでも時々こうした見晴らしポイントがあって南岸に広がる東京湾を眺めることができます。

と、あちらの方に大きく穴の開いた岩が見えます。こちらは「馬ノ背洞門」。関東大震災の際に隆起して海上に現れた海食洞門です。能登地震でも海岸部分の隆起が見られましたが、大きな地震は一瞬で海岸線の風景を変えてしまう途轍もない力を持っています。

馬ノ背洞門の前まで下りてきました。右手から登れば穴の上の部分まで登れないことはないのですが、すでにひびが入っているようで登ることは禁止されています。

城ヶ島の南岸は岩場に急峻な崖が迫っています。こちらはウミウ生息地。夏場のこの時期には見られませんが冬になるとここに2000羽ものウミウがやってきて越冬をするそうです。島旅は夏が一番楽しいと思うのですが、冬も見どころがあるのは貴重な観光資源だと思います。

ここまで頑張って歩いてきたのですが、真夏の暑さにギブアップ。かき氷の幟に負けて城ヶ島大橋のたもとにあるカフェに避難することにしました。ここはまぐろきっぷが使えないので自腹です。

夏はやっぱり涼しげなブルーハワイだよね。ハイキングコースを歩いて汗だくだくになっていた体を一気にクールダウンしてくれます。

息子はしっかりバニラアイスをトッピングしていました。

城ヶ島大橋、先を歩く息子。

カフェの前にバス停はあるのですが、残念ながら30分に1本しか来ず時間が合いませんでした。城ヶ島大橋を歩いて本土に向かいます。ただ風が通るのでそこまで暑さは感じませんでした。

城ヶ島大橋からの光景。

地形を楽しみながら歩いた城ヶ島散歩。ただいかんせん夏の真っ盛り。暑かった!もう少し涼しくなってからゆっくり歩きに来てもいいなと思いました。

前回のブログでご紹介しましたが、この三浦半島の旅では「みさきまぐろきっぷ」を使いました。

465 三崎港にまぐろを食しに。|ミヤコカエデ(Miyako Kaede)
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まだ未使用だった「三崎・三浦おもひで券」は山田酒店さんで販売している「ミサキポートエールビール」と交換し、家で楽しみました。

年季の入った佇まいの酒屋さん。

酒宿山田屋も営む山田屋酒店。こちらでしか販売していないエールビールは適度な苦みとコクがGoodでした。横浜から電車とバスで90分で来られる三崎・城ヶ島の旅。手軽に首都圏の喧騒から離れて海を楽しめる観光スポットです。みなさんも「みさきまぐろきっぷ」で手軽に三崎・城ヶ島の旅を楽しみに来てください。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年8月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。