ドナルド・トランプ前大統領の選挙陣営がイランからのハッキング被害を受けていると発表しました。この訴えを受け、FBIが捜査を開始しています。
マイクロソフト社はトランプ陣営にウェブサイトがイラン政府関係者にハッキングされていることを報告していたようです。
イラン政府の真意はともかく、イランにとってトランプ氏の再選は望ましいことではありません。2018年にトランプ政権はイラン核合意を離脱し、対イラン制裁を再開させました。これによってイラン経済は圧迫されており、追い込まれたイランは核開発を再び進めています。
また、トランプ大統領はイラン国内で英雄扱いされていたソレイマニ司令官の暗殺を指示しており、そのこともあってイラン政府からあまり良く思われていません。
日本の「代表的な」言論人もトランプ氏のイランに対する政策には批判的です。
最近では、イランとつながりのある人物がトランプ大統領の暗殺を計画していたというニュースが出ました。イランはよっぽどトランプ氏の再選を阻止したいのではないでしょうか?
近年では選挙のプロセス、またはその結果を操作するために外国勢力が米国大統領選へ干渉するという可能性が大々的に取り上げられています。
しかし、ロシアが2016年大統領選に選挙介入をしたことによってヒラリー・クリントン氏が敗北したというナラティブが民主党内に広がり、それが同党支持者のロシアに対する姿勢を強硬なものにしました。ロシアが選挙介入をしなければ、バイデン政権は現状のように積極的にウクライナ支援を行わなかった可能性があります。
イランは米国大統領選に干渉することで自国の国益を追求しようとしているのかもしれませんが、ロシアの事例を他山の石とするべきです。