岸田総理が電撃記者会見を行い、来月の総裁選への不出馬=任期満了での総理退陣を発表しました。
本当に大胆な決断を、誰にもわからないようにされる方だなと心からびっくりしました。
岸田首相 自民総裁選に不出馬表明 各界・各地の受け止めは
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240814/k10014548721000.html
気が早いですが、3年間のご活動に敬意を表します。
外交実績や原発処理水への対応、防衛費の増額を決断されたなど、評価できる部分も多々あります。
一方で、我が党と約束した文通費改革や、何より最大の公約であった憲法改正について、なんら進展がないまま辞任されていくことは大変残念です。
また内政においては、ライドシェアなどの規制改革は極めて中途半端なものに終わりつつあり、「新しい資本主義」もその全容が見えることはありませんでした。
次期総理・総裁については、社会保障制度改革や規制改革などを断行できる方かどうか、我が党としてもしっかりと注視していきたいと存じます。
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何はともあれ、自ら「身を引く」という決断はなかなかできないことです。
交代した方が党のため、日本のため…そう感じていても、しがみつくのが人間であり、また政治家の性(サガ)でもあります。
とりわけ「岸田総理は再選もありえるのではないか」と言われる中でこの決断ですから、その点では、最後に岸田総理は有終の美を飾ったのではないかと個人的には感じています。
一方でこの決断タイミングと退任理由については、様々な意見があると思います。
「政治とカネ」にけじめを付けるという理由については、理解はできるものの、遅きに失したという面は否めない。
ならば、この理由をあえて岸田総理があげたのは「裏金問題の震源地になった清和会(安倍派)および裏金議員たちへの強烈なメッセージ」に他ならないでしょう。
俺はケジメを取る、君たちはどうだ?国民から信頼される政治・政党を、このままで本当にできるか?次期総理総裁は、この問題にどう向き合うのだ?
岸田総理はここまで、相当に忸怩たる想いがあったのでしょう。そんな匕首を、退陣宣言と同時に裏金議員たちや党内に突きつけたように思えてなりません。
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このメッセージは、総裁選と今後の党運営に対して、小さくない影響を及ぼすと思います。
仮に総裁候補の1人が、「私が総裁になれば、裏金議員たちは一切公認しない。自民党は生まれ変わる!」と宣言したら…?
かつて「自民党は改革政党だ。郵政民営化に反対する議員は1人も公認しない」と宣言した、小泉劇場のような現象が起こるかもしれません。
もし万が一そうなれば、我が党にとっては脅威ながら、政治改革や日本の未来のためには極めてポジティブな影響を及ぼす可能性もあります。
早期に予想されるであろう解散総選挙に向けて、看板を変えただけでは変わらぬはずの万年与党・自民党に対峙できるよう、準備を進めてまいります。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2024年8月14日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。