ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長はインタビューで、世界から見ると日本は「年収200万円台の国」と認識されているという日本経済に対する危機感を示しました。また「少数精鋭で仕事するということを覚えないと日本人は滅びる」と今後求められる人材像についても触れています。移民を受け入れ、知的労働者を増やし、少数精鋭で働けということです。
これに対し、前澤友作氏が猛烈に反論しました。
前澤氏に同意し、柳井社長を批判する声が多く聞かれます。
イーロン・マスク氏も以前「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう」と日本人が滅びることを心配していました。
しかし知的労働者は20年前なら来てくれたかもしれませんが、単純労働者ですら他の先進国は絶対受け入れないレベルの人材しか来てくれない恐れもあります。
日本企業に社内失業者を囲っているほどの余裕はもうないのかもしれません。
来てくれるか分かりませんが単純労働者でも留意が必要だという指摘も。
どちらかというと社内失業を守るために現場の待遇が著しく低く抑えられてきた可能性もあります。
批判されてはいますがユニクロの賃金は高いようです。
柳井氏も「今の労働生産性が、皆さん一生懸命やっているんだけど低いじゃないですか。労働生産性が高くなるようなことをやっていかないと、今からの日本はやっていけないんじゃないですかね」と言っていますが、この30年で日本企業はそういう日本から出て行ってしまいました。
ユニクロ製品も日本は海外よりかなり安い値付けになっているそうです。
柳井社長は「『日本文化が好きだ』とか、『日本人と一緒に仕事をしたい』という人を増やしていかないといけないんではないですか。そういう人たちに『日本に来て一緒に仕事しませんか?』というのをどんどん進めていかないといけないんじゃないんですかね」といっているので、前澤氏の「日本らしさ日本人らしさが今後の国力の鍵になる気がしていて(中略)日本は日本人らしさを活かして連帯してもっともっと濃い国になっていくべきかと思いました」と問題意識は共通しているのかもしれません。
ただし、柳井氏と前澤氏の言っている「生産性」の定義がびみょうに嚙み合っていないような気もするので、冷静な議論を進めていってほしいものです。