英国ではカミラ王妃がユニクロのダウンをご着用と話題に。日本の女性皇族のお好みのファッションブランドはどうなっているのか。
『系図でたどる日本の皇族』(宝島社)のなかでは、プリンセスたちの紹介に力を入れたが、そのうちファッションの部分を抜粋して紹介。
皇太子妃時代の美智子さまは「清楚かつ華のある装い」、子育て時代は軽快なパンタロン姿で行事に参加された。世界的な高級ブランドのものを贈答されても“国民から顰蹙を買う”と活用されることは殆どなかった。
逆に、日本の職人技を尊重して国産品にこだわられた。それによって、日本のプレタポルテを草創期からリードし続けた芦田淳とか、ドレープの神様と言われた植田いつ子などが、専属デザイナーとして注目されるようになり、草創期のアパレルデザイナーにとって励みとなった。
また即位されてからの15年間で47都道府県全てを訪問されたが、その中で美智子さまがこだわったファッションは、動きやすく、美しく見えるように計算され尽くしたケープやマントウのスーツスタイルだった。それが日々の公務と切り離せない究極の仕事服であり、つばの小さい平たいお帽子がトレードマークであった。「つばが広いと、挨拶の時に人と距離ができてしまう」とのお考えから、こだわりをもたれたようだ。
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上皇后美智子さま(1958年頃) NHKより
紀子さまは、どちらかというと淡い色がお好みで、美智子さまをお手本に「皇室ファッション」の王道を行くお召し物をお選びになっている印象を受ける。
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秋篠宮皇嗣同妃両殿下 宮内庁HPより
雅子さまご愛用の時計ブランド
一方、雅子さまはエリート外交官の家族らしく、海外ハイブランドを好まれ上手に使いこなされている。特に愛用されている時計が、メレリオ・ディ・メレーというパリきっての老舗宝石・時計商の「ラ・ヌフ・クラシック」のものであることは報道写真にも写っているので、よく知られている。
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ラ・ヌフ・クラシック
慶長18年(1613)創業の現存する世界最古の宝石商と称され、マリー・アントワネットが特に愛したことで知られる。OECD代表部大使をつとめた小和田恆夫妻は、以前からメレリオ家と交流があり、入内の折、「ラ・ヌフ・クラシック」も両親から雅子さまに贈られたのだそうだ。
外交官だった雅子さまのファッションの代名詞ともいえるのが颯爽としたマニッシュで品のあるジャケットスタイル。それがご婚約会見では一転、帽子にワンピースのロイヤルスタイルに変身、次世代の新たな皇室像を期待させた。
令和となり、淡い色が、中でも淡いブルーをよくお召しになっている。
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天皇皇后両陛下のご視察のご様子 宮内庁HPより
紀子さまは、母親の弟親戚が勤務していた縁で、レリアンというブランドを結婚以前から愛好されており、ギリシャ訪問の際には、眞子さまから譲られた植物や幾何学模様が全体に入ったブルーのブラウスとワイドパンツのセットアップに濃紺のジャケットを着用されて、価格が上下それぞれ4~5万円、大変話題になった。
また、佳子さまはギリシャやペルー訪問でも「Pierrot」の半袖ニットやマウンテンパーカ、「ADELLY」と思われる花柄が鮮やかなワンピースなど庶民的なブランドを選ばれて、紀子さまのファッション傾向は眞子さんや佳子さまにも影響を与えている。
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ペルー共和国訪問時の佳子内親王殿下 宮内庁HPより