自民党総裁選予想 :炎上商法

相変わらずだが、自民党総裁選候補者は、推薦人確保に四苦八苦してるようだ。石破茂、河野太郎のように国民人気があるように見せかけている議員は、自民党内の地方議員と国会議員からの人気は無いので、仮に彼らが推薦人を確保するとするなら、総裁選後の人事を約束するくらいしか、党内議員の心を動かす手段は無い。

石破茂にしても河野太郎にしても、国民人気は自民党員人気では無いと言う現実と共に、特に自民党に三行半を下しつつある自民党支持者の保守層の自民党離れが激しい中にあって、表向き保守政党であると言う自民党の総裁選で勝利することの難しさを実感してるのではないだろうか?今回のように候補者が乱立すればするほど、余計にそう感じられていると思う。

さて、自民党総裁候補として、これからの自民党の方向性を占う政策の中、特に今後争点になっていくのが、解雇規制の緩和問題では無いだろうか?

日本は憲法の縛りと民法の縛りが強いため、雇用主は従業員を解雇しにくいと言う現状がある。企業から解雇を告げられたとしても、仮に従業員が解雇を不服として裁判を起こした場合、企業はその従業員が何故、解雇に該当するかを証拠付きで証明しなければならない。解釈は色々がるが、要はその従業員が在籍していることで企業が不利益を被っていると企業が証明しなければならないのだ。

企業側が要らないと判断して解雇したとしても、従業員が無神経か、潤沢に資金を持っていて裁判に金をかけても良い人であれば、企業は無闇に解雇は出来ない。だから入社の際、従業員規定を熟読させ、承諾書にサインをさせる。企業側が定めた則を破ったら解雇ですよと、先に従業員に告げておき、約束をさせるのだ。

ところが、小賢しい知恵が回る友人などがいる場合、有る事無い事を言って労働基準監督署に告発するとか、裁判所に不服申し立ての裁判を提起するかのアドバイスをされ、揉めに揉めることになる。解雇規定の中身を理解していれば、解雇も止むなしと従業員が判断すれば、解雇を受け入れることになる。問題は、解雇規定を読もしない最低限の知能を持ってない場合だ。そんなのこそ、企業は解雇するのが本当に難しい。

河野太郎氏の「解雇規制緩和」強気発言にSNS《自民党議員からクビに》のド正論

河野太郎氏の「解雇規制緩和」強気発言にSNS《自民党議員からクビに》のド正論|日刊ゲンダイDIGITAL
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河野太郎氏は、直接的には指摘してはいないが、暗に、過去の自民党が左派野党と議席のバーター、立法のバーターで国会質疑を交換条件にしてきたことで、雇用に関する法律が行き過ぎた労働者保護に偏っていることを問題視し、企業側が従前より簡単に解雇できる法整備を進めるべきだと指摘する。

河野太郎氏HPより

現在、デフレ不況からの脱却を目指す日本は、コストプッシュインフレをきっかけに、賃上げの機運も相まって、デフレ脱却が現実味を帯びてきた。資本主義経済である以上、企業は生産性を向上させ、利益を上げる必要がある。

左派野党の言うように、労働者保護を企業に強いてしまったら、資本主義経済の流動性(賃金、労働力)が進まない。その結果、企業は内部留保を増やすしかなく、設備投資(人材確保を含む)への流動性向上が進まない。

左派リベラル政党はアホなので、労働者保護だの、労働者の味方だのと綺麗事を並べることで、労働者を苦しめていることに気づいていない。つまり、アホなのだ。

だからこそ、タブー視されつつある労働者市場の改革において解雇規制に踏み込むことは、とても重要だし、仮に本当に自民党が変わろうとするなら、或いは真のリベラリズムを追求するなら、やはりこの解雇規制の問題に踏み込むことは決して間違ってはいないと感じる。

つまり、日本経済は、長期間のデフレ不況を経て、次の段階に入りつつある。勿論、経済政策の原則として、資本主義である以上、社会が経済力を低下させれば国家が資本を投下して経済活動を活発化させるのは、当然であって、経済が活性化する活力は国家が担うのは当たり前だ。

今回の解雇規制緩和を、自民党総裁候補者であり日本の総理大臣候補者が出したと言うことは、話題性とか言った浅薄な議論を起こそうと言うものではなく、日本社会が構造的に抱えている問題の本質に切り込んだと考えた方がいい。

とかく、政治の世界で台頭する為にはラディカルな主張を出し、ショック療法としての話題性の投下によって議論を喚起するという手法がとられる。自由主義である日本において、様々な角度から社会の有り様と未来を議論することは重要だし、専制主義国家ではないのだから、話題性を持たせて人々に考えさせるやり方はあって当然だ。

以降、

続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。