国防の敵は空自と海自:税金ダダ漏れ電子戦機で予算をドブに捨てている

海自「異形の新型機」開発加速へ “日本が誇る国産機”の派生型 機体に大きなコブ 乗り物ニュース

導入されて幾星霜となり、熟成しているはずが稼働率3割で、潜水艦探知能力も低い“日本が誇る国産機”です。

商売とはいえ、こういう軍オタに媚を売るの「無敵皇軍」的なタイトルやめればいいのに。

防衛省は、海上自衛隊に配備が進む国産のP-1哨戒機をベースに開発する「電子作戦機」の開発を加速します。来年度予算の概算要求には、開発費用として414億円が計上されました。

航空自衛隊は、既にC-2輸送機をベースにしたRC-2電波情報収集機を導入しています。来年度予算の概算要求には、1機の追加取得費用として496億円が計上されています。

P-1ベースもC-2ベースの機体採用は悪手です。まずは他国の機体よりも3倍は調達コストが高いし、維持費も5倍から1桁高いでしょう。

C-2輸送機
防衛省HPより

それでも将来川重の大型機が性能やコストが大幅に向上し、世界市場で売れるならばそのための先行投資と考えられますが、20年後も30年後も、税金ダダ漏れを続けるだけです。溝に金を捨てることになります。

更に申せばP-1の稼働率は3割程度です。主たる原因は「世界に誇るIHIの国産エンジン」を採用したことです。C-2は過剰に機体が大きい。

以前海幕長に電子戦機の機体候補について尋ねましたが、無人機含む複数の機体を検討した結果だといっていましたがこれは嘘です。検討するフリだけして本命のP-1に決めたのでしょう。海幕という組織がトップ以下、いかに税金浪費に鈍感かわかります。

前から申し上げているように空海の電子戦機は機体を統合して民間機を採用すべきでした。本来P-1やC-2がまともなコストであれば教育や訓練が共用できるメリットがあるのでこれらの機体の派生型は意味があります。ですが、コストがかかりすぎて、稼働率の低い欠陥機を採用する理由はありません。

例えばガルフストリームパークやボーイングの737やエアバスの320あたりの機体を本気で考えて見るべきでした。後はエンブラエルのKC390あたりでしょうか。

これを空自の輸送機・空中給油機として採用し、これと共用するのであればありでしょう。電子戦機にしても給油機能つけたまま運用も可能でしょう。多数の国で採用されているし、もともと旅客機ベースなので運用コストも安いはずです。それに我20~30機も採用するのであれば、製造にもいっちょがみできるかもしれません。

前例踏襲と、組織の利益、天下りの確保だけを考えて国防をないがしろにする組織の予算は大幅に削っていいと思います。

【本日の市ヶ谷の噂】
海自の改良型FFMのRWSはMk44ブッシュマスターを搭載したるコングスベルグ・ディフェンス&エアロスペース社のシープロテクターが採用された、との噂。

東京新聞にコメントしました。
兵器向け部品の値段「見積り高めでも通る」 防衛予算増額で受注業者の利益かさ上げ 「ばらまき」と指摘も

月刊紙の爆弾に寄稿しました。
Sony 世界中の軍隊から絶賛される”軍事企業”

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態

月刊軍事研究8月号に防衛省、自衛隊に航空医学の専門医がいないことを書きました。
軍事研究 2024年8月号


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年9月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。