中国当局による圧力や監視の可能性があるNHKスタッフの事案について、NHKが追加の報告書を発表しました。
その報告書によると、当該スタッフは中国政府を恐れ、プライバシーを公表することに強い懸念を示していました。さらに、NHKからの連絡に「日本の国家宣伝にリスクを負うことはできない」と応じたそうです。
つまり、今回の事案につながる予見可能性があったわけですね。
また、これはかねてから指摘されている中国の「海外警察」の存在を示唆するものです。
中国の「海外警察」とは、中国政府が国外に不透明な形で設置している警察組織のことです。その主な目的は次の通りと言われています。
- 海外在住の中国人や中国企業への監視や取り締まりを行い、中国政府の利益を守ること。
- 中国から亡命した人々への監視やいやがらせ、時には強制送還を行うこと。
- 中国国内の法律や規制を海外でも適用し、政治的な統制を図ること。
現在までに100か所以上の拠点が世界中に確認されており、一部の国ではこうした違法な活動が問題視され、閉鎖に追い込まれる事例も出ています。
中国政府は表立ってはこの組織の存在を認めていませんが、海外での情報収集や政治的監視活動を行っている可能性があります。
参考:中国が世界で100カ所以上の警察署を開設、一部の国は支援も 報告書
この事案に中国の”海外警察”が関与していれば、我が国に対する重大な主権侵害です。政府はNHKの調査結果を待つのではなく、自ら調査・捜査に乗り出すべきです。
まずは国会の場(総務委員会)でも事実関係を明らかにし、必要であれば関係者の参考人招致も視野に入れるべきでしょう。
選挙モードに入る各党の優先順位が下がらないよう、政府与党自身が自国民の安全と主権を守るという姿勢を示すことが重要です。安全保障の強化は口だけでなく、行動でその決意を示さなければなりません。
維新としても、必要な提案を強く続けていきます。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2024年9月12日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。