子育て世代のベストな移住先は「福岡県」

黒坂岳央です。

現在、引っ越しを予定して候補地を吟味している。自分が独身なら東京都以外を検討することはまずないが、筆者の場合は子どもの教育もあったり、通勤の制約はないので地方になりそうである。

昨今、どこの自治体も移住者を諸手を上げて歓迎しており、「移住補助金」をはじめ「移住体験ツアー」「子育て支援プログラム」といった手厚いサポートを準備してくれていて驚かされる。

子育て世代の移住先候補として日本中を探し回った結果、おそらく多く子育て世代にとってのベストな移住先は「福岡県」ではないか?というのが筆者の見解だ。持論を述べたい。

kuppa_rock/iStock

理由1.コンパクトシティ

福岡県はコンパクトシティとして知られている。都心部は博多や天神に集中しており、なんといっても空港へのアクセスは抜群である。電車やバスなどの公共機関網も張り巡らされており、地方でありながら車を持たなくても困らない。それでいて、子供を遊ばせたり学ばせる機関も一箇所に集中していて何も困らない。

子どもの学習環境を検討した結果、神戸市、つくば市、流山市なども候補に上がったのだが、いずれも都心部へのアクセスにはかなりの時間がかかる。つくば市などは東京都内に移動するだけでつくばエクスプレスの快速でも45分、しかも到着駅は秋葉原駅なのでそこから新宿などに移動するとドア・トゥ・ドアで1時間を超えてしまう。

ところが福岡なら都心部から空港へも日本トップクラスのアクセスの良さであり、フライト時間も1時間30分ほどで関東に住む場合と都内へのアクセスはあまり変わらない。現在、自分は熊本県に住んでいるのだが、熊本空港は熊本市内から非常に遠く、また便数も少ないので不便を感じていた。同じ九州でも空港の利便性は比較にならない。仕事や旅行で頻繁に空港を使う筆者のような人にとって、これは非常に大きな差になる。

理由2.圧倒的安さ

福岡の物価は東京に比べて抜群に安い。東京ならタワマンで1億円を下回ることはないが、福岡なら半額、下手するとそれより安く買える。

福岡県で興味を持った物件名で検索するとYouTubeで内覧動画が出てくるのだが、どの物件にも「このグレードでこの価格は信じられないほど安い!」といった東京都民と思しきコメントをよく見る。また、安いのは住居だけではない。外食や日用品、ホテルや遊び場などすべてが安く、それでいてグレードが高いのだ。

理由3.人口減少に強い

経済学者の森知也氏の発表した統計予測モデルによると、100年後の日本で発展している都市は東京と福岡の2都市という。また、経済産業研究所(RIETI)からも英文で超長期の人口分布を推定した論文が出されている。

今後の人口減少社会で地震や津波の災害で生き残る都市も、人口減少で都市として維持できなくなる場所も予想される。東京は当然として、意外なのは持ちこたえる都市が大阪や名古屋ではなく福岡ということだ。その根拠の一つにリニアによる接続があるのだという。

今後、急速に人口減少すると自分の住居は維持できても、周囲の生活インフラが持たないというリスクは十分考えられる。終の棲家を構えることがあるなら、超長期の100年後でもインフラが持ちこたえる想定の都市を選ぶのが合理的だろう。

調べれば調べるほど、移住先候補のベストは福岡県であると感じられる。移住先として人気である状況証拠が福岡市のアイランドシティである。この場所は博多に近く、東京からの移住者も多い。リモートワーカーの割合も50%に迫るもので、突出して際立っている。また、ファミリー層の流入著しいために、子どもが大幅に増えて急遽プレハブの校舎でしのがなければならないほどで、新しいタワーマンションやバイリンガル幼稚園も建設された。不動産屋さんに聞くと、移住希望者が本当に多いという話だ。

ファミリー層は福岡移住を検討する価値があるだろう。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。