月末に600万円余計にお金が振り込まれた「意外な原因」

昨日は9月末の半期の最終日でした。月末なので様々な取引先に請求していた資金が振り込まれましたが、とある会社から予定されていた200万円ほどの振り込み額がなぜか800万円ありました。連絡された金額より600万円ほど多くなります。

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取引先が振り込みミスをしたのかと思いましたが、原因は振り込み元のGMOあおぞら銀行のシステムエラーによる誤送金であることが判明しました。

当社を含めた取引先への一括振り込みをしたところ、それぞれの振り込み額ではなく、合計金額ですべての振り込み先に振り込まれたそうです。

この会社では、当社以外の複数の会社に同じ800万円が振り込まれてしまい、口座から数千万円が過剰に出金されたそうです。誤送金によって残高が本来の金額以上に減ってしまうと、他の支払いができなくなり振込手続きに影響が出ることになりかねません。

特に不動産取引のような金額が大きく、一日のうちに複数の決済を行う場合、資金決済がどこかで滞ってしまうと取引が完結できなくなるリスクが出てきます。

以前も、「青い銀行」でメガバンクでシステム障害が起こり取引に影響が出たことがあります。それ以来トラブルに巻き込まれるのが怖いので、大きな金額の取引では銀行を選ぶようにしています。

金融システムも人間がオペレーションするものですから、トラブルが起こる可能性はゼロではありません。複数の銀行口座に預金を分散させ、トラブルが起こった銀行は金額の大きな決済などには使わないといったリスク管理が必要です。

今回のシステムトラブルに関しては、送金元の口座には本日朝に既に返金がされ、資金不足状態は解消されているようです。しかし、問題は過剰に振り込みをした口座からの返金手続きです。

私の銀行口座も800万円が振り込まれたままの状態になっています。今後、銀行から連絡があって、返金手続きをすることになると思います。銀行側はそんな返金の対応の依頼を一つ一つの口座の管理者にしていかなければなりません。

今回のエラーで口座によっては数千万円単位の誤入金があったケースもありそうです。中には悪意で返金しない人も出てくるかもしれません。回収作業にはかなり時間がかかりそうです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年10月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。