源氏物語始まりの地:大津・石山寺へ

滋賀県の県庁・大津市を旅しています。

京阪石山坂本線に乗って終点、石山寺駅に到着しました。4年前にも一度来ているのですが、駅が紫色に変わっているのに驚きました。これも今、大河ドラマ「光る君へ」で紫式部がフィーチャーされていることからなのでしょうか。

駅を出たところにも紫式部。

石山寺駅から1キロほど参道を歩くと石山寺に到着します。紫式部はお仕えする中宮彰子に何か物語を書くよう命ぜられてこの石山寺に籠っていた際、湖面に映る月を眺めているうちに一人の貴公子が脳裏に浮かび源氏物語を著し始めたと言われています。石山寺は源氏物語始まりの地として知られています。

山門に近い公風園内の一コマ。
1000年前の世界からタイムスリップしてきたかのような光景。

寺の入り口の脇には大河ドラマ「光る君へ」の放送期間中オープンしている大河ドラマ館があります。ことし石山寺を訪ねている多くの方は大河ドラマを見て寺を訪ねているので興味を持って大河ドラマ館を訪ねていきますが、わたしは大河ドラマを見ていませんのでここはスルーします。

受付を過ぎて右手にある池のほとりに岩の間をくぐると願いが叶うという「くぐり岩」があります。

ここをくぐりぬけていきます。狭い!

願いごとをかなえてくれるそうなので狭いですが頑張って潜ります。4年前は出口付近で頭をぶつけて出血しました。因縁の場所です。今回は無事通り過ぎました。

くぐり岩を抜けて長い石段を登って本堂に向かいます。

本堂の目の前にあるのが巨大な硅灰石。今ではかなり黒ずんでしまっていますが、かつては白く輝いていたそう。石山寺のシンボル的存在で、この硅灰石が印象的であることから石山寺と名付けられました。

石山寺の本堂のうち内陣は平安時代に建てられたものがそのまま残り、滋賀県最古の建物です。如意輪観世音菩薩が祀られており、33年に一度と天皇陛下御即位のときにのみ開扉されて人々の目の前に姿を現します。天皇陛下が代わることがなければ次の開扉は2049年です。

本堂の脇には「源氏の間」があり、紫式部の人形が鎮座しています。紫式部はここに籠って中秋の名月を眺めて源氏物語の着想を得たと言われています。1000年の時を経てその姿(想像ですが)がここに甦ります。

硅灰石の上に鎮座するのがこちらの多宝塔多宝塔。源頼朝が寄進したと伝えられており、1194年に建立されたものであることがわかっています。上層部の円形やそこにあらわされた装飾、そして軒の曲がりが非常に美しいですね。日本最美の多宝塔といわれる国宝です。

こちらも源頼朝が寄進したと言われる国宝・鐘楼。多宝塔とテイストが似ているので同じ時期に造られたのかなと思いましたがやはりそうでした。

帰りしな、寺内にあるお土産店、紫に立ち寄ると大津市のゆるキャラ「おおつ光ルくん」が出迎えてくれました。ゆるい顔立ちですが歌が詠めてスポーツも得意だそう。そのモテるスペックは源氏物語の光源氏由来かとお思いきや、得意なスポーツはローラースケート。

…え?そっちの光GENJI?!


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年10月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。