自衛隊のいじめ、パワハラ、セクハラは組織文化の問題で解決の当事者能力なし

自衛隊から「心の叫び」が聞こえる 「ハラスメント根絶」は進むどころか…横行する通報者捜しと「制裁」

自衛隊から「心の叫び」が聞こえる 「ハラスメント根絶」は進むどころか…横行する通報者捜しと「制裁」:東京新聞 TOKYO Web
防衛省が自衛隊内のハラスメントを調べる「特別防衛監察」の結果を公表し、「ハラスメント根絶」対策のスタートラインに立ってから1年がたった...

防衛省が自衛隊内のハラスメントを調べる「特別防衛監察」の結果を公表し、「ハラスメント根絶」対策のスタートラインに立ってから1年がたった。同省はこの間、有識者会議からの提言を踏まえて防止対策を進めてきたが、現役自衛官や支援者からは「組織の体質は変わっていない」と訴える声が絶えない。

外部専門家の有識者会議が「ハラスメントは個人的関係において生じるとみなされ、組織の風土・特性から発生するとの認識で対処されてこなかった」などとし、ハラスメント教育の見直しなど防止対策を提言。

まず治らないです。自分たちのカルトな価値観が正しいと思い込んでいるですから。なおすためには組織的なマインドコントロールを解く必要があり、外部からの強制と矯正が必要です。

被害当事者らを対象にした1回目は、143件の有効回答の約9割が「今のハラスメント根絶の取り組みは有効と思わない」とした。

特別防衛監察で被害を申告した人が対象の3回目は、回答者23人のうち13人が申告後に「退職を強要された」や「自分が言いがかりをつけられ処分されそう」と不利益な扱いを受けたと明かした。自由記述欄には「特別防衛監察は公益通報者の把握、制裁に利用されていると実感する」とのコメントもあった。

以前の新型ヘリを巡る海幕長の処罰に関しても、その報告書を監察本部以外の内局官僚が書いていたわけです。監察本部が機能していない証左です。

現状、監察本部に監察が必要な異常な状態です。例えば監察本部は警察、検察、民間の弁護士などを出向させて100パーセント防衛省と自衛隊の人間を排除するべきです。

東京訴訟の女性自衛官は、13年に航空自衛隊でのセクハラ被害を申告後、ハラスメント研修で実名をさらされるなど二次被害を受け続けているとし、冒頭のシンポで「特別防衛監察でも二次被害を申し出たが、過去の事案は調査しないと言われた」と証言。有識者提言後にあった防衛省のアンケートでは個人を特定できる質問が多かったといい、「以前と何も変わっていない」と不信感を募らせる。

ハラスメントを防止する手段としては、自衛隊の各組織に外部の弁護士を防衛省以外の役所の責任と権限で配置するべきです。

それと信賞必罰。現在の罰則はかるすぎるので3階級ぐらい降格とか、懲戒解雇、必ず刑事告発するとか厳しい措置が必要です。

弁護団代表の佐藤博文弁護士は、特別防衛監察での被害申告は氷山の一角だとした上で「まずは被害実態を正面から受け止めて明らかにすることが必要。被害申し立ての対応での法令順守や、幹部に防衛大学校出身者ばかりでなく多様な見識がある人を登用していくことも重要だ」と説く。

全寮制の防衛大が邪悪なカルト集団、自衛隊原理教の根源です。以前も書きましたが、防衛大を解体すべきです。多少の手直しでは治りません。

危険なカルト文化の温床、防衛大学校は廃止しないと自衛隊は正常化できない。

自衛隊がカルト集団であることをまずは認めることから必要です。それこそ苫米地 英人先生のようなカルトからの洗脳解除の専門家を招聘して、大臣直轄の「洗脳解除機関」をつくるべきです。

米軍でも戦前は将校の質が低いことが問題となって、その原因が士官学校のあり方にあるという点を認識しました。防大みたいにいじめも横行していた。米軍は誤りをドラスティックに正せる美点がありますが、我が国にはありません。自己変革は無理なので一旦潰すことが必要です。

防衛大学校HPより

無論、防大出の将校、将官にも優れた見識の方はいます。ですが組織と見た場合、大変問題があります。防大を廃止しても一般大学や、曹クラスからの幹部候補生学校を経た教育で問題ないでしょう。防大自体対して軍事教育をやっていません。

新しい防大を作るならば米軍や英軍、ドイツ軍などから教育の専門家を「お雇い外国人」として招聘するべきです。

その際には一般教養を身に着けさせるように努力すべきです。一般的に外国の将校と比べて自衛隊の将校は教養の度合いが低い。それは単に古典や難しい哲学の本を読ということではありません。端的に申せば、知的好奇心が低い。知的好奇心が高いと組織内で疎まれる文化があります。ですから業際的な知識や、他者がどう考えるかという発想が欠如しており、「世間の常識」を身に着けさせる教育をすべきです。

隊員のいじめ訴訟などに関わってきた田渕大輔弁護士は「組織防衛が優先され、不都合な事実や被害者の声をにぎりつぶしてきたのが自衛隊。その姿勢を改めない限り体質は変わらず、弱い人の目線に立った組織改革ができなければ意味がない」と注文した。

これもぼくが言っている通りです。いじめやハラスメントに限らず、防衛省や自衛隊は何事でも隠蔽する体質があります。装備などについても同じです。外国のメーカーが開示している情報でも国民を騙すためにあたかも軍機のように隠します。

公開情報を納税者に隠す防衛省のインテリジェンスの欠如

公開情報を納税者に隠す防衛省のインテリジェンスの欠如 | "Japan In-depth"[ジャパン・インデプス]

いじめやハラスメントをなくすためには防衛省、自衛隊の情報開示を進める必要があり、これまた当事者意識と能力がないので、自己改革は無理なので外部から強制的に行う必要があります。

財務省は防衛省、自衛隊の情報開示の度合いに拠って予算を削減することも考えるべきです。予算を減らしていくのが一番聞くと思います。

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。

European Security & Defenceに寄稿しました。
JGSDF calls for numerous AFVs within Japanese MoD’s largest ever budget request

東京新聞にコメントしました。
兵器向け部品の値段「見積り高めでも通る」 防衛予算増額で受注業者の利益かさ上げ 「ばらまき」と指摘も

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年9月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。