さてどうする自民党、国政の行方

今回の選挙の解説をする記事やブログ、Youtubeは相当数でるでしょう。私もいくつか感じるところを述べたいと思います。皆様もいろいろ思うところがあるでしょう。どうぞ、皆様の意見もコメントを通じてお聞かせください。

まず、選挙前の私がこのブログに書き込んだ予想数が自民190、立憲150でした。結果が自民191、立憲148ですからまずますの想定どおりでした。

公明は議席数を落とす予想でしたが8議席減は想定以上で過半数の233議席には18議席足りません。たださほど悲観する話でもないと思います。なぜなら野党がバラバラだからであり、無所属、諸派などを掘り起こせばある程度の当面の対応は可能だとみているからです。

それと諸外国では国を二分するような事態になる中で日本の政党間の主義主張は根本思想というよりこだわりの世界に近いので私のように外国から見れば方策はいくらでもあると感じてしまうのです。

石破茂首相 自民党HPより

公明党は予想された通り党首が落選してしまいました。池田大作氏亡き後の公明党の存在価値の表現力が難しくなる中で公明党が与党にしがみつく状態が正しい政党のあり方なのかは同党として議論すべき時が来たと感じています。

国民と維新は自民とも立憲とも協力体制を結ばないと言っているので当面はバラバラの国政が見込まれます。ものごとも決めにくくなるでしょう。国内政治の混乱とまでは言いませんが、どこかで収拾させる必要が早急なる課題になってきます。

早速小泉氏が敗戦の責任を取り辞任を表明しました。石破氏も責任を取って辞任をするでしょうか?可能性はなくはないと思います。私が石破政権はサプライズと申し上げたのはそれが頭にありました。では誰か総裁候補がいるでしょうか?

まずありえないのが高市氏と小林氏。なぜそこまで言い切れるのか、説明します。総裁選は「刺激と打算の選挙」だったと私は考えています。我も我もと候補に名乗りを上げ、メディアのチカラもあり高市VS石破の対決は候補者の中で両極の戦いだったとも言えます。つまりSNS時代を見事に反映させ、エキストリームさを関係者が求めたのです。

それでも高石氏が負けた理由は自民党という組織が極端な思想にぶれることを嫌ったからにほかなりません。正に打算です。岸田氏が暗躍したともされますが、最終判断したのは各議員であり、その議員の多くは自己保身を考えたのです。長年、一定層から根強い支持があった石破氏のほうがよかろうと判断したのです。

が、石破氏の最大の間違いは「お友達」が限られていて、森山氏を幹事長に据えたことにありました。その上、極めて健康状態が悪い菅氏を党副総裁にして党内を保守 vs.中道と、菅 vs. 麻生という2つの断面を作り出したのです。

これは戦略的に稚拙だったし、例の2千万円問題も森山氏の判断ですが、ご承知の通り、あまりにも情けない事態となったのです(当の萩生田氏は怒り狂い、その2千万円をすぐに自民に返してしまいました)。

石破氏では首相としてのかじ取りどころか自民党内のベクトルも纏められないでしょう。石破氏は確かに首相の座に一度は座ってみたかったのです。ただ、こうなっては首相としての実務に本格的に取り掛かる前に辞めるべきです。

私は辛抱強い方であまり過激な判断はしないのですが、石破氏は百害あって一利なしです。私が当初、100日間のハネムーンをすべきだと申し上げたのは石破氏はスルメイカのような人間味がある人で噛んで噛んでようやく味が出てくるタイプなので就任8日で解散コールをしてしまったことで「自分の強みも弱みもなーんもわかっていない人」になったのです。

では次を担うのは誰でしょうか?私が見る基本路線は保守と中道の中間で経験値が高く実務能力に長けている人だと見ています。そうすると候補は必然的に茂木、林両名が筆頭候補だろうと考えています。

岸田氏が再登板というシナリオを高橋洋一氏は以前述べていましたが、それはかなりバックアップ的で保険のような形でしかありえないと思います。高橋氏は論理思考と裏情報が強みですが、行動心理学のような分野は得手ではなく予想を外すこともしばしばあるのでファンの方でも話半分ぐらいに聞いた方がよいでしょう。

何故実務能力が求められるかといえば結局暫定的に過半数を確保したとしても安定過半数になるには政党間のゴリゴリした調整が必要であり、そのあたりの能力は理念ばかり述べる石破さんのようなタイプでは難しいのであります。

最後に株価や為替にはどう影響するかです。心理面からは「あちゃー」なのですが、成熟国日本において政治がどれだけ経済に影響を及ぼすのか不明であるし、当然ながら石破政権の短命説が今後囁かれるとすればばむしろ、自民党の刷新期待、更には5人衆のうち4人が当選したという強みはプラスだと考えています。企業業績と今回の選挙の結果は直ちに何かにつながることではないでしょう。先週、月曜日の株式市場は台風一過になると申し上げましたね。

為替は多少、乱れるかもしれません。東京市場が開ける前の現状は1円ほど円安です。あの民主党時代の70円台をご記憶の方もある通りなぜか「為替相場は立憲がお好き」なので今後、立憲強しとなれば円高にぶれる可能性もあり、方向感が定まりにくいかもしれません。

日本の選挙が終わればすぐにアメリカの大統領選挙が迫り目線は変わるので1週間もすれば「あぁ、日本も選挙あったねぇ」ぐらいのものではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年10月28日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。