週末になると、新聞の折り込みに不動産広告が増え、大量の不動産物件を見ることができます。
その価格を見ると、東京23区の中心部物件はここ数年で異次元レベルになってしまいました。
千代田区にある70平米程度のマンションの価格が3億円台。中には、渋谷区代官山の180平米で14億円というとてつもない価格の物件もあります(写真)。
一般的な日本人の感覚からすると、もはや誰が買うのかと思いますが、外国人から見ると必ずしもそうでは無いようです。
マイホームとしてマンションを購入する日本人は、頭金と住宅ローンの借入限度額から購入可能な物件価格を考えます。住宅ローン金利が低いとは言え、普通のサラリーマンが住宅ローンで2億円以上の物件を購入するのはほぼ不可能です。
これに対し、外国人は物件価格を海外の主要都市と比較して検討します。
東京であれば、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、香港といったグローバルシティーが比較検討対象になるのです。
円安の効果もあって、日本の住宅価格はこれらの都市で比較するとまだまだ割安に見えます。
IPOで巨額の富を手にしたような例外的な富裕層日本人を除けば、このような物件の買い手の中心は外国人です。実際、14億円の物件の広告の下には中国語と英語で連絡先の電話番号とウェブサイトの紹介が掲載されています。
いずれこのような高額物件の折り込み広告は外国語が主になって、日本語が下に小さく書かれる逆転状態になるかもしれません。
私が住んでいる晴海フラッグでも100平米を超える2億円台の物件が売りに出されています。売っているのは日本人投資家が多いようですが、買い手に回っているのは、ほとんどが中国人を始めとする外国人のようです。
都心のマンションの購買層は2億円以下の日本人実需層と2億円を超える外国人の二層に分かれているということです。
今後も高価格の優良物件は外国人に買い占められ、価格が上がり続ける可能性が高いと思います。
真面目に仕事をしても、都心にまともなマンションすら買えない時代が遂に日本にも到達してしまったようです。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年11月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。