曇天江の島写真勉強会。

竜宮城のような出で立ちの小田急・片瀬江ノ島駅。

10月26日 土曜日。江ノ島に来ました。江ノ電に乗って鎌倉にはもう何回も来ているのですが、江ノ島に来たのは実に30年ぶり。前はまだ結婚前に交際中だった今の奥さんと一緒に来たと記憶していますがそれ以来の訪問です。

この日は「旅色」さんのイベントで写真家の山田大輔さんに写真を教わる講座に参加するために江ノ島を訪れたのでした。

山田大輔 写真家 DAISUKEYAMADAPHOTOGRAPHY
写真家山田大輔のホームページ。ポートレート、ランドスケープ、ファッション等、様々な分野で撮影。フリーランスフォトグラファー。

写真が好きな方ならご存じの方も多いと思いますが、山田大輔さんはNHKの「ブラタモリ」でスチール撮影をされている方です。そのほかにも月刊旅色のほか、JTBのるるぶなどの写真撮影などにも多く携わっています。昨年、川越で写真勉強会が行われた際も参加させていただいており、今回は2度目の参加。あいさつしたところ昨年のことを覚えていて下さって感激でした。

憧れの山田先生に再会できた喜びとは裏腹に、この日の江ノ島は生憎の曇り空。雨が降らなかっただけよかったと思いますが、湘南ブルーの海に映える江ノ島が取れなかったのは残念な限りです。それでも久しぶりの江ノ島。いい写真を撮りに橋を渡って人波の中に飛び込んでみることにします。

土曜の昼は結構な混雑。

江ノ島弁天橋を渡り、目抜き通りの江ノ島弁財天仲見世通りに入ります。土産物屋が両側に並ぶ目抜き通りで人でいっぱい。江ノ島ビールやらしらすコロッケやらなにやら魅力的なものがたくさんあるのですが、まずは写真をと思い写真を撮りつつ通り抜けていきます。

今回、一応「まだ知らない江の島を撮る」という課題があります。自分だけの「こんな江ノ島あったんだ!」という写真を撮りましょう。ということで、いいネタはないかと捜し歩きました。江ノ島、地味に結構広くて弁天橋から南端まで20分ほどかかります。

撮影の前に山田先生からいくつかアドバイスを頂いたのですがその一つに「来た道を振り返って撮る」というものがあります。歩いてきた道をいったん立ち止まって振り返ると全然違った景色が見えてきます。とのこと。同じ商店街でも振返ってみると人の流れや町並みなどが全く違って見えてきます。見落としていたものが見えることも往々にしてあるので新鮮です。

朱の鳥居とその向こうに建つ瑞心門。鳥居と瑞心門は直線ではなくちょっとずれた位置関係なんですね。江ノ島は結構起伏が激しく、ここは結構急な階段があります。ここから上に登るのはエスカーという有料のエスカレーターもあり、乗ってみるのも一興だと思うのですが貧乏性のわたしは迷わず階段で行きました。

こちらがエスカー。

折角登ったので辺津宮(へつのみや)でお参りをします。スサノオノミコトの娘であり、大国主命の配偶者である田寸津比賣(タギツヒメ)命を祀るため、源実朝がこの地に創建した由緒正しい神社。折角なのでここでお参りをします。

江島神社の「大吉」御籤。

東京五輪の会場となったヨットハーバー。

海の見えるカフェを入口越しに。

秋バラの向こうに見えるシーキャンドル。

南国風の植物と江の島シーキャンドル。
ほんとうに曇天が恨めしい。。。

いろんなアングルからとってみるのも大事な要素。
江ノ島らしいお店があったらなおよかったかな、と思う一枚。

そのあとはどこかいい写真が撮れる場所はないかと江ノ島の山上をウロウロ徘徊します。山田先生曰く、昔のフィルム写真と違って今はデジタルでどれだけ撮ってもタダな時代。なのでとにかく気に入ったものはたくさん撮ってみましょう、とのことでした。また、上からとか下からとか、角度を変えてみると見えてこなかったものが見えるともアドバイスいただきました。

個性的な紋様の「も組」の鳥居を抜けると急に階段が現れます。ここから一気に江ノ島の最奥部へ。行きは下りですが帰りは昇り。大変そうですが下った先には小さな港があって、ここから江ノ島弁天橋まで船で戻れます。だったら行っみたらいいか。

ちなみに「も組」とはここにあった火消の名前。江ノ島は水の神弁財天や龍が祀られていますが、それらに肖って鳥居が奉納されたそうです。

も組の鳥居の傍にある龍宮。
「りゅうぐう」じゃないですよ。「わだつみのみや」と読みます。
「わだつみ=海神=龍」。いや読めんやろ。

江ノ島の南西端、稚児が淵に降りてきました。湘南の海というと波はあっても穏やかで、砂浜にさざなみが寄せて返すような印象を持っていたのですが、ここは岩石に打ちつけるような大きな波が押し寄せてきて荒々しい。穏やかな湘南とは対照的な印象の場所です。

ここでふと今回の課題を思い出しました。「まだ知らない江の島を撮る」。こここそまさに私たちが持つ江ノ島の印象とは違う場所じゃないか?そして今日は曇天で海も少し荒い。清々しい印象を持つ江ノ島とはある意味ギャップのある写真が撮れるんじゃないか。そう思い、シャッターチャンスを待ちました。

そして撮影会終了後、先生に提出した写真がこれ。外国人観光客の方がしゃがむ岩の手前の入り江に波が激しく打ちつけているところを撮りました。いかがでしょう。先生にはいい場所といいシャッターチャンスを逃さずよく撮れましたとおほめ頂きました。

ちなみに藤沢市らが主催するフォトコンテストにも送りましたが、たぶんこちらは美しく蒼き湘南とはイメージが離れてるので入賞することはないでしょう。でもいいんです。山田先生に褒めて頂ければ。

がびーん。

海の荒々しさに目を奪われていたら、その荒々しさがゆえに船が欠航していました。また混雑する仲見世商店街を通り、30分かけて弁天橋まで戻りました。

曇天ではありましたがそれゆえに普段とは違ったギャップを感じられる江ノ島の写真が撮れたと思います。ただ、やはり江ノ島はスカッとした青空がよく似合います。冬は晴れる日も多いとお思いますので、近いうちに復習もかねてリベンジ撮影もしてみたいなと思いました。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年11月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。