厚生年金の一部を国民年金に流用でサラリーマンの間に反発が広まる

アゴラ編集部

厚生労働省は、国民年金の給付水準を引き上げる方針を発表しました。厚生年金保険料の一部を基礎年金に充当し、中長期的な財源を確保する計画です。この改革により、基礎年金の受給水準は現在の1.3倍になる見通しですが、厚生年金からの流用に対して多くの不満の声が上がっています。

参照:基礎年金の給付水準、3割底上げ 財源は厚生年金保険料(日経新聞)

この案は、近く厚生労働省の社会保障審議会で議論され、2025年の通常国会で年金改革関連法案として提出される予定です。一方で、厚生年金保険料を基礎年金に流用することで、厚生年金の給付額が減少する可能性が指摘されており、多くのサラリーマンから不満が噴出しています。

現在も厚生年金は国民年金の赤字補填に利用されていますが、今回のように公然と流用が議論されるのは初めてです。これを「財産権の侵害」とする意見もあります

現行のマクロ経済スライドにより年金給付水準が抑えられてきましたが、新制度では抑制期間を短縮し基礎年金の受給水準を向上させる計画です。

また、基礎年金の受給水準引き上げに伴い、国庫負担が最大で年間2.6兆円増加する見込みです。このため、安定した財源の確保が重要となり、消費税増税など過去の事例を参考に対応策が検討されています。

今回の制度変更を焦るなという声もありますが、なし崩し的に負担が増えていくのは目に見えています

労働者からの反発を抑えるために企業に負担をもとめる案も出てきました。結局給料に転嫁されるので同じことですが。

自民党は基礎年金の支給額引き上げを次期衆議院選挙で公約に掲げ、国民民主党も同様の改革案を提案しており、与野党間での協力が進む可能性もありますが、すでに厚生年金保険料率の上昇も非常に高いものになっています。

年金定期便には本人負担分しか記載されていません。一連の騒動で企業負担分にも注目が集まるといいのですが。

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これらの問題を解決しない限りサラリーマンが負担を強いられる状況は変わりませんが、問題の所在を理解している人はまだ多くありません

今後、基礎年金の赤字を厚生年金で補填する構図について、さらなる理解が求められます。