石破総理の外交マナー:人付き合いが苦手なのになぜ首相になったのか?

まだファン層以外は十分に盛り上がっていない気もしますが、侍ジャパンの快進撃は目を見張るものがあります。アメリカやキューバがどれぐらいのレベルの選手を出したのかという本気度はあるかもしれませんが、プレミア12という国際大会は「日本の十八番」をしっかり印象付けています。野球といえば大谷氏も3度目のナショナルリーグMVPに輝きました。世界で日本の存在感が薄れていると言われている中、スポーツでしっかり印象付けるのはとても良いことです。侍ジャパン、引き続き応援したいですね。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

ところで、お前は儲かっているのか、と聞かれたら?

私はつぶやきで毎週、市場関係のことに一コマ割いています。なぜかといえば投資は三度の飯より好きだからです。そりゃそうです。中学2年生から株式投資をこの歳になるまで一度も止めたことがないのです。私のパートナー、生きがいといってもよいでしょう。なぜ、そこまでハマったのか、といえば市場のダイナミズムに圧倒されたことにあります。かつて日本でちまちまやっていた時は大きなうねりに乗せられていた気がします。しかし、北米に移った時、その奥の深さに感動すらしたのです。

投資ですから当然リスクを取っていきます。失敗など数知れず。持ち株の会社が倒産したことも5回ぐらいあったと思います。大失敗の度に「止めようかな」と一瞬思うものの次の日には果敢に攻めています。ただしリベンジ投資はあまりしないようにしています。失敗した銘柄には縁がなかったのだと考えています。一方、常日頃見る株式リストからは失敗銘柄も落とさないようにしており、なぜ損をしたのか、その後何年も株価を見続け、その理由を検証してます。

「儲かっているのか」と聞かれればYESと申し上げます。理由の一つは会社の資産運用もやっているので一定の成績を安定的に上げ、かつ失敗もできないのです。そして北米は私の肌に合っているのです。それは株価が循環しやすいからです。投資家のシビアな判断と経営者の必死の努力のぶつかり合いで企業経営が切磋琢磨されやすく、叩き落された株価もいつかは戻りやすいのです。また私は金鉱山や資源株を得手としているのでそれらの相場は必ず「うねる」という確信があります。すると資源相場に対して資源株のボラは何倍もあるので底からトップまで5倍、10倍の差は当たり前になるのです。このリズムをつかめばよいのです。もちろん、配当も大きいと思います。個人の目標は株の配当だけで生活できるところまで増やすことでしょうかね?配当生活はアパート経営よりずっと楽です。

石破総理の外交マナー

APECとG20をこなした石破総理。その外交マナーに集中砲火で「恥ずかしいからもうやめて―」の悲鳴の声すら上がりそうでした。私が首相随行者だったら赤面です。ただ、秘書経験者として言わせていただければ随行者は普通、トップに囁くものです。トップと秘書は隠し事がなく何でも言える関係を作るのが最大のポイントなのです。座ったままの握手などはあり得ないし、国際会議でスマホをどうしても見なくてはいけない事態が起きることも理解できません。

座ったまま握手に応じる石破茂首相 首相官邸ホームページより

1985年に「パワーランチ 昼食で勝つ交渉力」(メルビン ビンセル著)という本が出版され相当話題になりました。私も当時読ませていただいたのですが、目からうろこでした。それが役に立ちクライアントと食事をするときにはどうすれば自分の話を聞いてもらえるかを考える癖がつき、今では体に染み込んでいます。国際舞台での外交は「華やかさ」が重要になります。ファッションの話ではなく「あの人と話したい」と思われるオーラを持つという意味です。石破氏は実質外交デビューですからそれこそ「俺が石破だ」と印象付けをして回るのが重要です。そして相手のトップのサブについている人にも必ず好印象を持ってもらいます。理由はあとで必ず「君はイシバをどう思った?」と話し、そこで一定の第一印象評価が生まれてしまうからです。

石破氏は確か内気な性格で人付き合いが苦手ということを自分でもおっしゃっていたと思います。なら、なぜ首相になったのか、と伺いたいのです。首相ほどコミュニケーション力を求められる人はいないのです。どなたか評論家が「外務大臣経験もないのに首相になって大丈夫か?」と言っていましたが、心配の声は現実のものとなりました。私は100日間のハネムーンの間は何も申し上げませんが、内気な石破氏は今頃こう思っているでしょう。「トランプ氏との会談が実現しなくてよかった」と。また、今回の批判で外交に苦手意識を持った可能性はあります。私がいみじくもトランプ氏との会談は特使を出した方がよいと申し上げたのはそこまで読み込んだうえでの意見でありました。

もしもネタニヤフ首相が日本に来たら逮捕するか?

このお題、なかなか難問だと思います。国際刑事裁判所(ICC)は以前から手続きをしていたとされるネタニヤフ首相ら3名の逮捕状をを発行しました。よってネタニヤフ氏がICC加盟国に入国したら原則逮捕されることになります。そして現在ICCの所長は赤根智子氏。よって同氏の母国である日本に来たら日本はそれを実行するのが正義となるでしょう。一方、ネタニヤフ氏だけでなく、イスラエルを支援するアメリカからも猛反発の声が既に上がっています。ましてやあと2か月もすればネタニヤフ氏と最も親交が深い一人とされるトランプ氏が大統領に就任します。

ネタニヤフ首相インスタグラムより

もしも日本がネタニヤフ氏を逮捕しようとすればアメリカからすさまじい圧力が来るはずです。とてもじゃないですがそんなことをすれば日米関係が吹っ飛んでしまう勢いになるし、杉原千畝の作った日本とイスラエルの蜜月の歴史など一瞬で消されてしまうでしょう。イスラエルを敵に回せば日本は政治経済社会すべての面で国際社会で厳しい状況に陥るそんな仕打ちすらあってもおかしくないのです。そりゃ言い過ぎだろう、と思うでしょう。日本は世界に根を張った基盤がないのです。

同じく逮捕状が出ているプーチン氏がICC加盟国であるモンゴルを訪れた際、逮捕の気配は全くなく、むしろどうぞ安心してお越しください、というぐらいのものでした。つまりICCは理念と思想としての存在であり実行能力は疑問なのです。もちろん、小僧レベルの悪人なら捕まえるでしょう。ですが、国家の要人は捕まえられない、これが国際組織の実情なのです。正義と実情は恥ずかしいほどギャップがあり、「そうは言っても…」という話なのです。国連の機能不全という話も全く同様、G7やG20の共同声明もその延長です。理由は国際会議と地域連携が多すぎて一国で物事を決められない社会を我々自ら作り出したからです。トランプ氏はその真逆、simple is bestで「二国間協議主義」に戻したのはそこにあるともいえます。

後記
1年ぐらい前から定期的に検査をしていた緑内障の症状が治まらないので眼圧を下げるレーザー処置をしました。指定された眼科専門施設に行くと受付も通さず、保険証を見せることもなく、本人確認もなく、担当医が待合所にやってきて「さぁ、いらっしゃい」と待合いのすぐ横の小部屋に連れて行き、看護師もなく、担当医が20-30分ぐらいでさっと両目の処置をしました。「じゃあ来週、具合を見せにクリニックに来てね」で終わり。もちろん医療費は無料。ちょっとイージーゴーイング過ぎるけれどカラダのこと、いろいろ面倒見てくれて無料ってある意味、ありがたすぎです。カナダの医療は最悪と言われたのは一昔前。今は予防治療を含めずいぶん改善してきたと思います。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年11月23日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。