黒坂岳央です。
労働人口が減少し、AIを活用して労働生産性を高める必要がある現代、数多くの「存在価値のないムダな仕事」がある。誰がどう解釈してもムダであり、これらの該当項目にある仕事はシステマティックに削除するくらいでいいと思っている。
惰性で続く仕事
人間の脳が衰えることで起こりやすい老化現象がある。「前例踏襲主義」だ。
前例踏襲主義を簡単にいえば「他の人がやっているから、以前から続けているから」と一切の思考を介さず、単純が手続きを繰り返す行為のことである。その際、作業における生産性や存在価値を疑うことはない。給料をもらっている間は何も考えず、ただ手順通り進めるのが最も脳にストレスがないので続けているだけというものだ。
具体的に言えば、誰も見ない資料を作り続けたり、定例会議だからと意味なく集合して話すことがないので雑談したりである。作業者の脳にとっては楽でも、会社全体では損失でしかない。ムダなコストと忙しいビジネスマンの時間を取り続ける点で経済的犯罪に等しい。意味を失った仕事はドンドンリストラして生産性を高める努力をするべきだ。
ムダな会議
自分はサラリーマン時代から会議が大嫌いだった。いろんな会社でたくさんの会議に出てきたが、会議中こっそり眠っている人、PCを持ち込んで内職をする人、すぐ雑談に持っていこうとする人、関係ない話を持ち出しヒートアップして喧嘩を始める人など本当に生産性の低い会議を数多く見てきた。
今は会社経営をする立場で元々、会議が嫌いではあるが部門を横断するプロジェクトで未決事項の結論を出さないといけない場面では会議をすることがある。
そこで意識しているのがムダを排除する会議だ。まず、会議の参加者は「当日いないと進行に大きく影響が出る人のみ」である。「一応参加して一緒に話を聞く」といった参加を認めず、当日は会議の様子を音声録音してAIで議事録作成をして配布している。
また、会議時間は流動的にしており、結論を出した時点で即終了。発言も結論を出すことに関係あることだけに絞る。さらに凝った資料を作らないようにルールを決め、「発案者の認識している課題とあるべき姿」を箇条書きで書くだけだ。そして長々とした挨拶や雑談は禁止。
このようにしているので、参加者も早く結論を出してさっさと終わらせようという意識になるので極めてスピーディーに進む。ものによっては5分で終わることもある。準備にも時間がかからない。
ムダな残業
残業は「家族仲が悪くて家に帰りたくない」「1円でも残業代を稼ぎたい」というケースを除けば好きな人は皆無だろう。自分の場合、残業は嫌で嫌で仕方がなかった。もちろん、自分のスキルが低くて残業する時は「自分の不甲斐なさが理由でムダな経費を発生させて申し訳ない」と思っていたが、問題は必要のないムダな残業の場合だ。
その筆頭が「できない人のお手伝い」である。この問題点は最初は「緊急時のフォロー」というものだった仕事が「定常業務」に組み入れられてしまうことである。そうなると仕事が早く、効率的にすればするほどドンドン仕事が増えていくことになる。しかも多くの場合、手伝ってもらっている側は「ありがたい」という気持ちが消えて「当たり前」という感覚になっていく。一度、このような印象を相手から感じると人間関係も悪くなる。
スキルアップして、最初は残業せずに終わっていた本人も本来の仕事を多く抱えるようになっているのに、相変わらずお手伝いの仕事は残り続ける、みたいな地獄の状況になってしまうのだ。
結論的に残業をする人は、よほど業務の影響することがない限りは手伝いは要らない。スキルや経験不足で残業が増えるなら、それは本人の問題なので基本的には本人が解決するべき問題なのだ。慢性的な残業が続くことで経営層からも「この部署だけ残業が多いのでは?」と指摘が入るだろう。
そうなればそもそも、根本的に業務量が多すぎたので改めて業務量を調整するとか、本人のこの部分にスキル不足があるから改善の必要があるなど、健全な是正勧告を受けることになる。それなのに他部署がこっそり手伝って解決してしまうと、本来あるべき膿出し作業が起こらない。
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ムダな仕事を続けるだけの余裕はどこの会社もないはずだ。「禁止事項」を社内に張り出し、最初からムダを生み出す余地を与えないルール作りをすることが効果的である。
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