韓国・尹錫悦大統領が「戒厳令」を解除:韓国国会は解除要求を可決

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は3日夜、国政の麻痺を理由に非常戒厳を宣布しました。戒厳司令部は政治活動やストライキ、集会を禁止し、メディアを統制する布告令を発出し、違反者には逮捕や捜索が可能としました。

尹錫悦大統領インスタグラムより

一方、国会は戒厳の解除を求める決議を可決し、与野党が大統領の対応を非難しています。与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表や最大野党の李在明(イ・ジェミョン)代表は、戒厳を違憲かつ無効と批判し、軍や警察に本来の職務復帰を呼びかけています。

尹大統領は、予算案に合意しないなどの野党の対応を批判し、「国政が麻痺状態にある」とした上で、憲政の秩序を守るために非常戒厳を宣布することを明らかにしました。この非常戒厳は、1987年の民主化宣言以降、韓国で初めての発令となりますが、国会周辺では混乱が起きました。

4日未明には、韓国国会は本会議を開き、非常戒厳令の解除を要求する決議案を出席議員190人全員の賛成で可決しました。

これを受け、大統領は戒厳令を解除する表明をしました。

韓国の尹錫悦大統領は支持率が20%を割り、弾劾決議が予定される中、北朝鮮系反国家勢力の存在を理由に非常戒厳令を発令しました。尹大統領の真意はどこにあるあのでしょうか。

尹大統領はなぜこのタイミングで戒厳令を出したのでしょうか。そして韓国の混乱は収束に向かうのでしょうか。