「ハレのモリ」で暖簾たなびく古い街並みへ:真庭・勝山地区

11月24日、岡山県北部・真庭市の中国勝山駅にきました。この場所に来たのは2度目。実は以前もブログを書いているので重複する部分があります。

78 のれんたなびく中国勝山&湯原温泉小旅行|ミヤコカエデ(Miyako Kaede)
中国山地には多くのローカル線が走っています。 因美線、津山線、姫新線…どれもマイナーなローカル線。どれも赤字に喘いでいて新見から広島にむかう芸備線は東城ー備後落合の営業係数が25416。100円稼ぐのに25416円の経費が掛かるという日本屈指の赤字路線。他の中国山地路線もそこまでいかないまでも苦境に立たされていま...

ただ、前回はiPhoneで撮った写真をメインにした記事。今回は少しだけ写真の勉強をしたあとでLUMIXで撮った写真をメインにしています。数年前にくらべて写真が上達した(?)…かどうかはわかりませんが、少しは違った角度から描写ができたのではないかと思っています。

ちなみに、今回私が乗った列車はこちら。DEC700形気動車というJR西日本初の電気式気動車です。JR九州ではすでに実用化が図られていますがJR西日本ではまだ試験段階でこのDEC700-1だけが造られました。

今回「森の芸術祭 岡山」が岡山県北部で開催される時期のみこのDEC700-1が臨時快速「ハレのモリ」として営業運転されるということで利用してみました。

旧い気動車が走る姫新線のなかでピカピカの列車に乗れるということで快適性は高かったですが、売りにしていた電車並みというディーゼル音の消音化はそれほどでもないのでは…?という印象でした。

ディーゼルエンジンで発電した電気でモーターを稼働させて列車を走らせるという今まではなかった形式の車両であり、次世代のサステナブルな鉄道システムとして大きな期待を背負っている車両であり、今後の動向を注視していきたいと思います。

そんな臨時列車で中国勝山で下車。数分歩くと勝山の古い街並みにたどり着きます。勝山街並み保存地区は昭和60年に岡山県で初めて指定を受けた町並み保存地区です。美作勝山藩の城下町であったほか、出雲街道沿いの交通の要衝として栄えたことを偲ばせる古い街並みが今もこの場所に残されています。

勝山の街並みの特徴は町のいたるところに掲げられているヒノキの皮で染められた暖簾。

それぞれに趣向を凝らした柄の暖簾が街並みを彩ります。

勝山が町並み保存地区に指定されたのち、平成6年に酒屋を経営していた加納容子さんが「どうぞ買い物に来てください」との思いを込めて掲げたのが始まりだったといいます。

決して町おこしのためにつくったわけではなかったのですが、これが徐々に広がってゆき、いまでは110軒もの軒先で暖簾をみることができるようになりました。勝山の街並みにもはや欠かせない観光の目玉となっています。

こんな看板代わりの暖簾もあります。

クリーニング屋さん…?いえ、暖簾の通りカフェ「かぴばらこーひー」です。

ポストのあるお宅の前にはポストンの暖簾。

何屋さんか暖簾でわかるって歩いていてなんだか楽しくなります。

さて、先ほど列車「ハレのモリ」のところでも紹介しましたが、11月24日まで「森の芸術祭 岡山」が開催されていました。ここ勝山地区はサテライト会場となっており、街並みに休憩用の椅子やスチールでできた作品が展示されていました。

妹島和代さんデザインの椅子たちが街並みを彩っています。思わず座りたくなりますね。

こんなスチール製の作品もありました。

街並みの奥には立派な蔵。この地の地酒、御前酒を醸造する辻本店が今もここで日本酒を作り続けています。

わたしも小瓶ですが一本買わせていただきました♪

暖簾たなびく古い街並みの残る勝山。趣向を凝らしたデザインの暖簾を眺めるのはとても楽しく飽きることがありません。ここからバスに乗れば湯原温泉、蒜山にもアクセスすることができ観光の拠点にもなります。

芸術祭は終わってしまいましたがぜひ勝山を訪ねていただき、暖簾の町をゆっくりぶらぶら歩いてもらいたいと思います。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年12月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。