黒坂岳央です。
社会人になると「ビジネススキル」以上に「人間性」が仕事の良し悪しを決定的にしてしまうことは意外と見落としがちではないだろうか。
サラリーマンなら多少優秀であること以上に「上司や同僚から嫌われないこと」が重要であり、独立したビジネスマンもなるべく悪評が出ないような仕事に努める必要がある。
仕事をする上では「いかにプラス面を増やすか?」ばかりにとらわれがちだが、社会人は「万人に共通するマイナス面をできるだけ減らすこと」を考える方が実りにつながる事が少なくない。
マイナスは負のインパクトが強すぎる
人間はポジティブよりネガティブに3倍反応する生き物ということは、今や誰もが知っていることだ。
「コインの表が出たら1万円上げる、裏が出たら1万円ちょうだい」このような完全にイーブンな取引がほとんど成立しない事実がそれを物語っている。
また身近な例で言えば、たとえばセミナーを開催するケースだ。参加するセミナーで会場の広さや音響なども大事だが、見落としがちなのが「トイレ」である。どれだけ会場が使いやすく、料金が安くてもトイレの状態がひどければ参加者のセミナー後の印象は最悪なものになる。きちんと掃除が行き届いた会場を選びたいところである。
また、どれだけ仕事ができてもパワハラまがいの上司だったり、反社会的な匂いのする相手と仕事をしたいと思う人は皆無だろう。
このようにマイナスのインパクトはあまりにも強すぎるため、多少のプラスではまったく挽回することができないのだ。そのため、努力してプラスを揃えるより、なるべくマイナスを減らす戦略の方がうまくいく可能性が高い。
ビジネスにおけるマイナス
ではビジネスにおいてどのようなマイナスポイントがあるだろうか?
まずはビジネスマナーである。まずは身だしなみ。肩にフケがついていたり、見るからに安物の100均ボールペンを使う営業マンから物を買う人はいないように、相手からの信用を落とす見た目を避ける。そして相手との約束を守るとか、愚痴や悪口などネガティブな発言を控えるといった当たり前のマナーにも気をつけたい。
そして見落としがちなのが「”無駄”に相手の時間を奪う行為を慎む」ということだ。必要なコミュニケーションが発生することで結果として時間を使う、というのはなんの問題もない。それは当初、想定していなかっただけで実際は必要だったはずのビジネスコミュニケーションだからだ。
問題は創意工夫をすれば回避できたであろうあくまで「無駄」な仕事で、相手の時間を奪ってしまう行為である。
具体的にいうと相手が求めていない営業の売り込み、テキストメッセージを書くのが面倒という自分本位な理由で電話連絡をする、要領を得ない長話を延々として相手を拘束するといったものである。
これらはすべて、行動の起点となる側のビジネススキル向上で回避できるものばかりであることは明確であり、無駄に相手の時間を奪う行為として確実に相手から嫌われる。
特に世間的に優秀とされる経営者などの人種は、お金を失うことにはかなり寛容でも、無駄に時間を使わされることへの沸点が一般の人よりはるかに低い事が多い。この点は特に気を付けた方が良い。
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多少のプラスを増やしたところで、たった1つの大きなマイナスがあるだけで敬遠されるのがビジネスである。いや、ビジネスだけに限らない。クセが強すぎたり、被害者意識強めの人格を有すると、恋愛市場やフランクな友人という関係性においてもとにかく避けられがちである。
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