オンラインでは伝わらないリアルな人間の熱量

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コロナ禍をきっかけに広がったのが、ズームを使ったオンラインミーティングです。

例えば、コロナ前は税理士との毎月のミーティングをオフィスまで来てもらい対面で行っていました。しかし、今やリアルに会う事は全くなくなりました。

オンラインで打ち合わせをして、確認資料はメールでやりとりするのが当たり前になっています。

あるいは初対面の方とのミーティングでもズームを使うことが多くなり、案件がある程度進行した時点で対面で面会するようにしています。

オンラインミーティングの最大の利点は時間の節約です。移動時間がなくなり、ミーティングルームのセットアップも必要なくなりました。

圧倒的に効率性の高いオンラインミーティングですが、利便性に劣るリアルのミーティングもなくなることも絶対にないと思っています。

なぜなら、相手に伝わる熱量が圧倒的に異なるからです。

今週末、仕事の打ち合わせで福岡に出かけてきました。前後のスケジュールがあったため、朝7時半の飛行機で羽田を立ち、10時から天神でミーティング。1時前には終了し、2時過ぎの飛行機で羽田に戻るタイトなスケジュールになりました。

3時間足らずのミーティングに10時間近くの時間をかけたわけですが、オンラインでは得られない価値がありました。オンラインだったら聞くことのできない情報が交換ができ、言葉の裏にある相手の真意もよく理解できました。

無機質な情報の効率的なやりとりには、オンラインミーティングが向いています。しかし、お互いの心理状態や本音のぶつかり合いによって物事を進めようとする場合、お互いの熱量がわからないオンラインミーティングには限界があります。

今回は移動時間だけではなく、10万円近い移動費用もかかりましたが、得られた成果を考えれば全く無駄だとは思いませんでした。

私は人に会うのが億劫なタイプなので、ミーティングを極力オンラインにする傾向があります。

普段はそれでも良いのかもしれませんが、肝心なときには、やはりリアルに顔を見て話すことがとても大切だと再認識しました。

短時間の福岡滞在だったので、せめてものお土産に福岡空港で稚加栄さん(写真)の明太子を買って帰りました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年12月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。